※誤解しないでください!夜這いとかではありません(笑)
他の部屋や廊下は消灯しますから明かりが点いていれば丸わかりです。案の定、午後11時過ぎにWさんはやってきました。
「どうしたの?眠れないの?」
「あの…ですね、最近私のことどう思っているのか、それを知りたかったので」
「あなたのこと…ね。うん、ちょっと元気がないよね。ここはイヤ?」
「イヤではないです!恵まれてますよ、私は…。ただその元気がないってところで、何か不快に思ってたりしませんか?」
「どうしてそう思うの?」
「…悔しいんです。何もできない自分が。誰の役にだって立ってない!学校とか、その、もしかしたら行けないんじゃないか。むしろ行けたとしても友達とか、作れないんじゃないかって」
初めてWさんの前で泣きじゃくりました。今までのストレスが飛び散るように。だって2ヶ月後には一人で道を歩いてゆかなければならない。支えがあるから、今自分は存在できる。その支えも全て取り去って、自分の足で夢を掴みに行かなきゃならない。
「私も将来はWさんになるのが夢です。自分が決めた道なのだから、絶対絶対反故にするわけにはいかない。でも自信がないんです」
「その自信はどこか遠くに消えちゃったの?」
「……。もう頭がこんがらがって…たぶん病気っていうバリアが自信を隠しちゃってるんだと思います」
「じゃあ、壁(バリア)の向こう側にはあなたの自信があるのね?残ってて良かった。無くなってないのよ!あなたは誰よりも芯が強すぎるから、余計にバリアが分厚くなっちゃってるの。“自分は病気だ”ってなかなか受け入れられないから、きっとこんがらがっちゃったのね」
Wさんは見抜いた。私のごちゃごちゃの原因を。
「芯が強いのは、自分でも分かってた?」
「そうですね…。いっても若干ですが。確かに一度肚に決めた信念を曲げたくないっていう気概はあります」
「芯が強いのは欠点だと思う?私はそうは思わない。だって“芯”という漢字の語源は植物の茎(くき)、柱なの。柱ががっちりしている人は、どんな逆境も耐え抜けると思うし、最強の矛になると思わない?」
「それで病気のバリアを壊せという事ですか?」
「そういう意味もあるし、そういう意味でもない。口で言うのは難しいけれど、バリアの中に自信を取り込む…って言ったら分かりやすいかしら?」
そう、私の思っていたバリアは、正確には病気のバリアではありません。自分考え以外のことを全て受け入れない、自分で勝手に創造した虚無空間でしかなかった。そこに「病気」と「自信」を取り込みなさい(受け入れなさい)、というのが正しい解釈だったのです。
病気バリアという概念は壊してもいいけれど、自分の空間は壊すな!とWさんは言いたかったのでした。芯の強さはある時は最強の矛でもあり、ある時は最強の盾でもありました。
Wさん憧れますね。。。私もいつかこんな風に人の役に立つ時が来ればいいのに──
そして病気も自信も、全部受け入れる!友達もいっぱい作る!また一つ夢に近づいた気がしました。とにかく、ありがとう。明日お礼を言わなくちゃ
