こんにちは。小島です。3回目のブログが回ってまいりました。

皆さん、最近はいかがお過ごしですか?お体に気をつけて、無理せず楽しくいきましょう(と、私の尊敬するAKB48の柏木由紀さんも言っていました)。

 

私の所属する早稲田大学は、春学期の授業を完全オンラインで実施しています。正直、未だに慣れません…ずっと教場で授業を受け、その空間で学ぶことに意味を見出してきたからだと思います。試行錯誤の日々で、足掻いてはまた落ち込み、という繰り返しであります。

小学生・中学生・高校生の皆さんは、徐々に登校が始まっているようですね。かなり窮屈な学校生活が続いていると思います。価値観が急進的に変わる現状、なかなか対応が難しいと思います。でも、それで当然だと思います。あまり自分を責めすぎないでくださいね。

 

今、あらゆることが一気に変わり、その流れについていけない方がとても多いように感じています。

私自身、これまで大切にしてきたもの、自分を成り立たせてくれていたものを、たくさん失いました。

私は毎年夏になると、とても血が騒ぐんです。それは、恐らく8月のねぶた祭りを小さい頃から観てきたし、参加してきたから。両親と一緒に、青森市で行われる運行にも参加してきました。毎年8月2日~7日は、私がそのノスタルジーを感じる期間です。また、5月に行われる弘前さくらまつり。ピンク色に染まる、優しく凛とした花たちが自分の中での芸術です。高校時代は部活の仲間と一緒に行きましたし、どうしても夜桜が見たくて、遅い時間まで一人弘前公園に残ったことも(笑)。ああ、あの時間、なんか楽しかったな…こうした思い出やノスタルジーって、やっぱり自分を成り立たせているし、自分自身なんだなあと思います。だから、私にとって、文化とは自分自身であるのです。

 

また、私は昨年度から、学業をしつつ色々な場所に足を運んできました。ゆえに、色々な知り合いの方に出会いました。だからこそなんですが…コロナ禍で苦しい生活を強いられた方とも知り合いです。その方々が私に提供してくれた場所があるからこそ、私は自分の考え方をアップデートできるし、その場での議論を通して意見をブラッシュアップさせられる。何より、私に優しくしてくれるその方々が大好きです。

 

こういう理由で、私は最近まで、胸が張り裂けるような思いで生活していました。自分自身を成り立たせてくれた時間、これまでの時間の連続のもとで生きる自分が、原点を確認する時間とイベントが今年は中止。知り合いの方々が大変な思いをされている。その他にも、自分自身がこれまで築き上げてきた生活がどんどん失われていく。つらかったし、なんか怖かったです…

でも、巷で聞かれるのは、「新しい日常を精一杯遂行しよう」とか「集結しなくても、何とかなる」とか・・・

 

たしかに、感染症対策は必要です。それは疑いようがない。世界中で苦しい思いをしている方とは、その痛みを分かち合いたいと心から思います。

でも、そういう感染症対策一辺倒だけでは解決できないことがたくさんある。だって、築き上げたものが多ければ多いほど、失うものが多いはずですから。おこがましいですが、「新しい日常」を語るだけじゃなく、もっと寄り添う言葉が必要なんだと思います。

例えば、児童・生徒・学生は、貴重な自己形成の機会を犠牲にしてまで、この難局を乗り越えるため、休校などに協力し、納得できない大会中止まで受け入れざるを得ない。この痛みって、簡単に言葉にできないですよ…だから、「この混乱の中、多くの若者には人生の貴重な時間を犠牲にしてまで協力してもらえた。大人もあなた方をしっかり支える。この期間を通じて、あなた方と一緒に成長させてほしい」と一言言ってあげたらな…と思うんです。

なんか社会全体が、痛みに鈍感すぎる気がします…そして、文化の危機にも鈍感。文化って、自分自身なのに…

 

こういう状況ですが、読んで心が軽くなったエッセイを紹介して終わりたいと思います。故中島らもさんの「その日の天使」という作品です。

「一人の人間の一日には、必ず一人、『その日の天使』がついている。その日の天使は、日によって様々の容姿をもって現れる。(中略)こんな事がないだろうか。暗い気持ちになって、冗談でも“今自殺したら”などと考えている時に、とんでもない友人から電話がかかってくる。あるいは、ふと開いた画集かなにかの一葉によって救われるような事が。それは、その日の天使なのである」(中島らも「その日の天使」(日本図書センター、2010年)p147~149)

まずは自分が「その日の天使」でありたい。傷ついている方々に何かできるとすれば、こういうことだと思うんです。ちょっとした言葉で、繋ぎ止められるものってあると思います。

皆さん、どうか思い詰めずに。少しずつ、少しずつでいいと思います。皆さんはもう、頑張っていますからね。