第12回 ディスカッション 議事録
 
議事録 6月10日(水)
 
「信頼」
 
こんにちは。学生団体 CORS Projectです。
この度、第12回ディスカッションを行いました。充実した時間になりました。以下は先日の議事録です。ご覧ください。
 
議題:コロナ禍で留学が延期になっている。また、その他にも失うものの大きさで苦しんでいる方が多い。今回は、コロナ禍で苦しい立場に置かれている方々へのサポートを考えたい。
・留学はオンラインではできない。
現地では学問を学ぶだけでなく、その国の文化や生活様式を肌で感じ、一緒に学ぶ仲間とのコミュニケーションも取れる。
・学校が「学ぶだけ」だったらオンラインでもいい。
人間関係を学ぶのが学校の利点
また、オンライン授業の良い点ばかりを語るのはやめてほしい。自分は度々の回線エラーで精神的にまいっている。
・「新しい日常」とひたすらに連呼するのはやめてほしい。ただ「新しい」と言うのではなく、失われたものが何かを考えないと。
・強者の視点ばかりでコロナ禍を語るのは本当にやめてほしい。頑張ろうと思ったって、頑張れない人がいる。「これまでよりも人と話す時間が増えて、Stay Homeも悪くない」という趣旨の意見も聞こえてきたが、「Stay Home」どころじゃない人だっているだろう。想像力が必要だ。
・現状、外国人はお金を稼ぐことが難しい。いくら日本に住んでいたとはいえ、日本語を読むことができない方もいる。
・ある番組でフリーランスにフォーカスした番組があった。
→ある舞台構成をフリーランスでやっていらっしゃる方が、コロナ禍で今年の仕事がほぼキャンセルになった。
休業補償ももらえないため、生計を立てるのが難しいという。
・「傷の舐め合いはやめろ」という意見もあった。
→しかし、そのように捉えるのではなく傷を癒すことが必要だ。
・ピアトークをする場所では自分の悩みを共有できる。
しかし、ピアトークでも少数派となってしまう場合もある。
→同じコミュニティの中でも意見を主張できず、零れ落ちてしまう懸念もある。各自の境遇に対する想像力を持った対応が不可欠。
→家族や友人と信頼関係がない人に対する対応などを各々が考えていく。一人で抱え込んでいる可能性があるため、支援する側からの積極的なアプローチが必要。
・梨屋アリエさんの「きみの存在を意識する」を読んだ。
「マイノリティに同情してくれる方がいて『世の中には、味方になってくれる人もいる』と思う」という文に考えさせられた。
自分はそういう存在でありたい。
・自分の悩みを誰かに打ち明けることは精神的薬にもなる。
・立憲民主党国会議員、石川大我さんの書籍を読んだ。
石川さんも、自分の性自認・性的指向を、信頼できる人からカミングアウトしたようだ。だから、我々も信頼関係をブラッシュアップしていくことが大切だと思う。

以上を踏まえて、我々に何ができるか。
・現在、愚痴を言いづらいから、愚痴会を開催するというのも一つの考えだと思う。
・身近なところからできる行動があると思う。
レジでお金を払うときに笑顔で対応する。明るい返事をする。優しい言葉でメールや電話をする。既存の関係をブラッシュアップする。など、できることはいくらでもある。苦しい立場に置かれている人たちが、明日も頑張ってみようかなと思える行動を心がけたい。それらは、一番身近にできるボランティアだと思う。
・各々の持ち場でピアトークを上記の点に留意しながら行っていくことが必要だと考える。
(→ピアトークについては、我々が他に所属している団体においても提案し、実施しました。同じ悩みを抱えている人や、逆にピアの中でも少数派の人がいました。実施してみてたくさんの学びがありましたので、その点については今後に生かしていきたいと思います。)

最後に、故中島らもさんのエッセイを引用します。
「一人の人間の一日には、必ず一人、『その日の天使』がついている。その日の天使は、日によって様々の容姿をもって現れる。(中略)こんな事がないだろうか。暗い気持ちになって、冗談でも“今自殺したら”などと考えている時に、とんでもない友人から電話がかかってくる。あるいは、ふと開いた画集かなにかの一葉によって救われるような事が。それは、その日の天使なのである」(中島らも「その日の天使」(日本図書センター、2010年)
p147~149)
我々がまずは、「その日の天使」でありたいと強く思っています。
 
以上です。ご覧くださり、ありがとうございました。