本日、マタイ受難曲、最終曲を終えました。
ひとつ前の67番Rectativoの歌詞、”mein Jesu,mein Jesu,Gute Nacht.”も歌いました。
火曜日、パート練習を終え、全体練習では、ちょこっと旋律を追っただけですが、改めて、この”Gute Nacht.”を常任指揮者が解説しました。
そうです、単に今夜おやすみなさい、というのではなく、最愛の大切な人との永遠の別れの挨拶です。
想像してみなさい、ということで、つい多感な私は大切な人との別れを、と思ったのですが、それ以上はフリーズしてしまいました。
きっと、最愛の人の最期なんて受け容れられないだろうと思います。こころが停止するというか、無感覚になるというか、錯乱なんぞ通り越して、茫然自失のままだと思います。だから、歌うなんて、不能です。(不可能ではなくて不能)
そのまま最終曲に練習は突入しました。私はクラシックには縁が無かったので、マタイ受難曲も初めてで、バッハも名前はしっていたけれど旋律が彼らしいとか、そのようなものは全く知らないで、有名な旋律が出て来た感覚でしたが、
それまで練習に参加をあまりしていらっしゃらなかった人たちが今日はいらして、堂々と歌われました。御存知なんですね・・・
パート練習でなかなか出なくて、というか思うように声が飛ばなくて、身体が動かなくて、と悶々していたのですが、最終曲のとびきりのフォルテでそれは払拭されましたが、67番のRectativoに対する指揮者の解説が残ってしまって、
まあ呼吸法も調節というか身体が動き出したのもあるんでしょうけれど、涙が出たままになってしまいました・・・まあ、未だに、全体練習の度に、あくびが出るので(口腔をしっかり開けはじめると出るみたいです、まだ・・・)、
涙は出るわ、鼻は出るわ、大変でした・・・
いやー、それにしても、大曲を一度通すとなんだか、達成感というより安堵感というか脱力感というか、なんだか今とっても呆けています・・・
Gute Nacht.
私は現実ではとてもじゃないけれど口に出せません。出せるはずもありません。あくまで冷静に歌う事が大切ですけれど、今日は、ふ、と、多感モードが発令されてしまいました・・・
大切な人の訃報を聞いたような感覚になったままです・・・
今日も眠れないかも、です・・・(このところ、ずっと看病で寝ていませんが・・・)
![]() | バッハ, J. S.: マタイ受難曲 BWV 244/新バッハ全集版 4,860円 Amazon |