他人以上に話さない
実家に帰って住んではいるらしい
それだけでも安心だ
傷ついた子ども同士、
同じ親や親族を持つ同志。
今は亡き父とは、
弟が思春期になって初めて取っ組み合い…
にもならなかった。
あれだけ憎んでいたのに、
胸ぐら掴んだら持ち上がったのだそうだ。
父はあまり背が高くなかった。恰幅は良かったけれど。
弟は母方に似て180センチ近くある。
父は家を長く空けていたその間に、
一番小さな男の子は一番大きく図太くふてぶてしく我が道を行く様になった。
弟を怖がる様になった親は私に偏って色々発散するようになった。
それを俯瞰して更に辟易したのを覚えている。
察するに、
両親を早くに亡くした父と、
裕福で無い子沢山の真ん中にいた母と、
さみしんぼう同士が結婚したように思う。
周りがサポートするのが当たり前だった。
だから私と弟は親の乱高下するような、執拗な期待に、疲れていたんだと思う。
…そろそろ、いいオッサンだから、
人様に迷惑をかけず、元気にやってくれたらそれでいい。
いつもは指導教官の誕生日パーティーで埋もれる。
私も10歳で家族の誰からも祝って貰えなくなった。
理由は解らない。
難産の私に比べて、弟は1000gも大きかったけど安産だったのだそうだ。
生まれる時から親孝行だ、と弟は周りに大切にされて行った。
母が三日三晩苦しんだ難産、
私は記憶に無いから苦しく無かったという解釈。
女の子なのに胃腸が弱く、育てにくいと何故か叱られて育った。
お腹が痛くてもおかあさん…って泣けなかった…痛くなっただけで叱られるから。
昔の価値観だと頭では解ってる。
初めての子で神経質に育てたからパニックを起こして語気が荒くなったのも頭では理解してる。
でも、子どもの私にとっては、ただただ気分で怖いだけの両親や親族だった。
今でも両親や親族には、力を感じる。
双方が不仲だったので、多くの大人がいがみ合ったり競い合ったり直接やりあったりしている姿しか見ていない。
だから大人で好戦的な人は怖いし、その価値観を伝承している子どもさん達も怖い。
好戦的である事を自覚していないその有り様そのものが怖い。
家族ってなんだろう?
どういう言動を取る事が、心が痛まないんだろう…
昨日の倒れた後は樹木の力強い生命を感じ、
草花の優しい生命を感じ、
それを絵にした『ふらんきょうと』の、
廣岡先生(私が勝手に呼んでいる)の襖絵を拝見して、
涙を流して帰って来た。
先生の絵には心がどうしても震えてしまう。
おそらく泣くのは、
心を許しているからだと思う。
かつて見ていられないからと、
泣かないで、と私に言ったあの人、
心を許したからこそ、
気丈な平素の仮の姿の私ではなく、
赤子の様に泣いたんだよ。
気づいてくれてた?
今は伝えようも無いけれどね。
そうそう、愚弟の話。
何故だか家族内では、私が小さなお父さんとお母さんを兼ねていたので、
両親に甘えて泣いた事は無い。
幼い心に、両親に何かあったら、弟を連れてでる事は覚悟出来ていたから。
だから両親や弟の前で苦悩した事はあっても、
心を許して泣いた事は無い。
まあ、元気でやって下さい。
なんだかんだで母は、私ではなく、男子の貴方を頼りにしています。
貴方を案ずる言葉しか、
聞いてこなかった様に思います。
人生初めての、そうして永続的な大失恋は、
私は両親と弟(親族一同)にしています。
この事は今日まで誰にも分かりやすい形で発信して来ませんでした。
いえ、発信する以前に、あの時代はみんな経験している事で、
吐露するなんぞ親族の顔に泥を塗る事だから、
なんと恩知らずな、という頑強な年功序列の階層構造が家にありました。
女・子どもは黙っとけ、でした。
男子は脱出出来るけれど、
女の子は成人しても所詮女で、
女・子どもの枠から出れる事はありません。
世界規模で見ても、未だ未だ、人間としての尊厳が守られていなかったり、
主体的に人生を生きていない女性が殆どです。
樹木から、草花から、生命の『気』を分けて貰いました。
人間は生命を生み出し育むのは女性なのに、
なぜ大切にされていないのか、
女性目線というとどこかしら軽んじられる気もします。
今日、愚弟の誕生日は、私が大失恋した日であり、
厳しい社会へ鮮烈なデビューを無理矢理させられた日でもあります。
弟には罪はない。けれど、弟が生まれた事で全てが変わった。
だから、母よ、私に甘えることなく、
弟に大切にしてもらって下さい。
寸分の疑問も持たずに生きてきた能天気な母には、
その方がいい。
孫でも、息子の方を、猫可愛がりする。
息子が可愛いんだか、男子にもれなくついてくる利権に惹かれているのか…
本人考えた事が無いと強く確信している。
気付かせるつもりも無いし、万が一言ったとしても、また他の何かのように、
『この私がそんな事をする訳無い』と高圧的に否定するだろう。
虫も殺さぬ顔をして…とはよく言ったものだと思う。
あれだけ不仲な親族に、たったひとりで立ち向かい、
手にした不動産と金銭。
私には、到底真似出来ない。
父は末期に『○○(母の名前)に殺される』と言って入院して以来、
激しい鬱状態になった。
実家に帰りたいと伯母たちに赤子のように泣いてた。
父にとって結婚して作った家族は何だったのか、と、総崩れしたが、
その場で私が感情を露にする事は遂に無かった。
いつだって、耐性の無い人が、
先にしたい事をしたい様にして、そのまま逝ってしまう。
最期まで得手勝手。
ホント三つ子の魂なんとやら…に思えてくる。
さ、今日はもう一度診察。
樹木と草花とお話させていただこう
