澄みきった夜空にそれは余りにも眩しくて、
何だか目を細めてしまい、
項垂れてしまった。
直接見なくても月光浴は出来ると理屈で自分を鎮める。
自らの身体でさえ思うように動かないし、
思うような反応をしない。
物心ついた時には親にさえ奇異な目で見られて。
生きていく為に親の顔色を見て来た。
本当は誰にも解らなかったんだと思う。
私はただただ怒号の中を、
心を縮めて生きていた。
だから今夜は本来なら穏やかに過ごしているので有難いはず。
けれど私には眩し過ぎる満月に映った。
何もかも忘れて無かった事にして吹っ切って生きるのは、
辛かったけれど在りし日の親と体当たりで生きた時間を無かった事にするに等しいと思えて、
やっぱり今夜の満月を眩しく思う自分が居て、
それが悲しいような、少し嬉しいような、
何とも割り切れない気持ちを自覚した。
ただ今の気持ちのありのままを、
抱き締めた中秋の名月の夜。
みなさんに胸がきゅんとする夜が訪れています様に

愛しています
