また苦しくて寝付けない。
そんな中で15年前の決断が、
ふ、と、そんなに酷い事だけでは無かったのだと、
ほんの少し思った。
いくつもの粗暴に耐えて、
いくつもの差別に耐えた。
そんなでしかない結婚生活だった。
頑張る程に、
互いが傷ついた。
あの子がこうなったのはお前のせいだ。
息子を返せ。
どうして必死になって世間様に元の配偶者の粗相を赤子を抱いて詫びて歩く私をそんな風に言うのか解らなかった。
失礼な事をしたら謝る、
当たり前だと思ってた。
…もう物心ついた時から筆舌し難い苦労と偏見を与えられた母と子のユニットでした。
父にはその関係性の強さはお前が知るより以上だと言われていました。
元のパートナー、つまり不思議君の父親は、
ひとりっこで、気付けば留守がちで破天荒な母親にいつも独り…
にされている様に聞いていました。確かに言葉は荒い。海は女性が出たら荒れるから…
だけど、ドラマみたいに目のまわりがあんなに変色するものなのか?というくらいになった友達を匿ってあげてた。
無学のひとの最大の愛。
経済が厳しいのにご飯接待してね。
だから、あれで良かったんだ…
返して欲しいって変わってしまったって。
もうとうに無理していた。
私にも発達障害がある事が近年判った。
個人的には後天的な永年の矯正が鬱を発症するのだと振り返っている。
だから、
物心ついた時からずっと頑張ってたんだ、って。
どうしてそこまで頑張るのか、って言われてきた。
おとうさんを喜ばせたかったから。
おかあさんを喜ばせたかったから。
二人がいつまでもやめない喧嘩をどうにかやめて欲しかったから。
父の晩年、本当に看病で母と私が疲れはてて、それでも私は今後を気丈に話そうとした。
母にすべて突っぱねられた。
私が父の正妻だぞ、の想いを、ここぞとばかり臨終や葬儀やその後も誇示した。
婚姻関係において私は誰かが誰かの所有物ではないと考えているが、
心理的にはそうではないことを知っている。
まるで上に書いた私の決断を糾弾するようだった。
母は診察を受けてはいないけれどおそらくそんな部分がある。
初志貫徹。頑固。偏屈。融通がきかない…
特徴が出ている。
だから一回機嫌を損なうともうたとえ自分の家族でも嫌悪してしまうらしい。
たぶん言わないだけで自分も苦しんでいるだろう。
私に向けたその偏見で、
母は、弟の事も許せないでいるだろう。
出ていけとも言えない
偏見って必要無いのに存在する概念?
違うよね。偏見そのものは、単なる差異。宜しくないのは、それを相手を陥れる道具とする行為。
私は行為が改まって下さったらもうそれで、と思える人間に成りたいです。
近しく親しく想っていたら相手に期待してしまうのも人間。
それが期待通りにならなかったら、そんな自分が激しく恥ずかしいから、その強さの分、裏切られたとかついエスカレートしてしまうのも人間。
私は初老を過ぎて僅かだが、
それでも感情の制御が難しくなってきた。
少子高齢化の課題だね。
相変わらず、興味深いなぁ…小鳥の囀り。
動物学者からすると色んな意味があるんだろうけれど、
太古の昔から夜明けと共に鳴いていたのは変わらない。
人間は崇高であり愚かだ。
まだまだ身に付け過ぎてる。
もっとなくなっていけたら、
少しはこの苦しみから解放されるでしょうか。
いつの間にか背負い込んだ私への期待。
私が私を生きて来なかったという証拠。
他に選択肢が無かった…事にも気づかなかった。
理科系も…その中で抗ってたんだよ。
どうなっていたら幸せだったのかなんて考えた事もない。そんな余裕無かった。
随分と長いなぁ…長いも何も障害だからなぁ。
障害とおともだち。
…悪くないかもね。
あ、鳥さん…何処かへ行っちゃったみたい…
外が静かになった…
静かだ。
音が限りなく少ない事がやけに清々しい。
生活家電の音…昔は無かったろうね…
いにしへ は、
もっと静かだだったんだろうね。
雨上がり。
粒の音がたまーに聴こえる。
やけに風流だ。