今日も正門前の時計台前のカフェは観光の皆さんでいっぱいです。生活圏なので通り抜けてお買い物へ。


百万遍の学内案内図前で、小児まひになったであろう女性がひとり。黒と赤の車椅子。カッコイイ。最近のはファッショナブルだなあ・・・


そういえばお姉さんもとってもお洒落さんだ。おそらく私と同年代か年上のひと。


呼びとめられた。正直ちょっと聴き取りにくい声で質問をされる。農学部のグラウンドに行きたいらしい。間違えて吉田のそれ(ワンブロック南)まで行ってまだ戻って来られたらしい。


申し訳ない、その案内図には、農学部のグラウンドは載っていないんです・・・


どうも案内図を見られていて、認知はされている様子。ならば話は早い。案内図を遥かはみ出して、


「おっしゃっている場所はこのへんなんです・・・」と説明。歩いて行けますか、と訊かれたので、


「もし可能ならタクシーを使われた方が、もう吉田グラウンドまで行って来られたのなら、負担がないと思います。」と伝えた。


タクシーをつかまえましょうか、横断歩道一緒に渡りましょうか、と言ってみたが、彼女は、自分で出来ると言った。


そりゃ、そうだ。ここまでお一人でこられたのだから。


横断歩道を渡る時、後ろから彼女がついてきていない事が解った。あからさまに振り返るわけにはいかないと思って、


雰囲気で様子をうかがっていたら、彼女は、次の青信号を待つつもりのようだった。


その様子が逞しく思えた。彼女はそうして生きて来た。生きる技として、待つ。


彼女に必要以上に手を出さないで入れた事が嬉しかった。彼女は彼女なりに律していたから。


ちょっと気持ちが爽やかになった。