おとうさん、って人にね。
おとうさん、なんだかんだで、さみしいひとで、
いつものみにいって、
いつもおねいさんのところにいって、
そのくせおかあさんをそくばくして、
わたしもおとうとも…
それで、ふつうにいきてるだけで、
「おまえたちは、つめたい」
っていってたんだ。
まだちいさいときからいわれてたから、
ちょくやくしちゃってた。
おとうさん、わたしたちにかまってもらえないから、
あてつけにそういったんだね。
「つめたい」じゃなくて、
「かまって」
だったんでしょ☆
やっとわかったよ…
おとうさんが、このよからいなくなって、
ずいぶんとじかんがかかってから、
わかるなんてね。
でもね、
わたしたち、さいしょからそうしてなかったはずだよ?
どうして、ああなっちゃったんだろうね。
いつもいえにいなかったのはおとうさんだよ。
すきあらばいなくなったのもおかあさんだよ。
わたし、びょうじゃくだったから、
てがかかったから、
しんぱいのたねだったから、
けっかとして、
ふたりをそくばくしちゃったね。
おとうとがうまれて、
からだもおおきくて、
たしかに、おねつはでるとたかかったけど、
それいがいは、
じょうぶだったもんね。
げんきなときが、まれなのに、
りょうしんともに、
いつもいそがしかったから、
やっとあそべる、ってときもあったのに、
なぜかわたしは、ねつをだしたり、
おなかをこわしたり。
おとうとだって、そんなときがあったのに、
おとうとにはふたりともいっしょうけんめいにみえた。
おとうさんもおとうと。
おかあさんもいもうと。
おとうともおとうと。
だから、
わたしだけおねえちゃんで。
いつもひとりだった。
いつだったか、たまりにたまったおもいをはいて、
おおなきして、
「おとうとだけ、えこひいき、するなー」
ってないたよね。
じゅっさいだったかな。
あととりだの、
おとこだの、
なんだの…って…。
すきで、おねえちゃんにうまれたんじゃない!
だから、おとうとのあなたに、
わたしのむすめはおねえちゃんだから、
あどばいすなんて、
くそくらえだった。
おとうと。
えらそーに。
いつも、ないて、うしろついてたくせに。
ほんとは、つよくなんて、
ぜんぜんないくせに、
えらそーにするな!!
おねえちゃんは、
いつも、いつも、
おとなをみていて、
おやになにかあったときには、
あんたをまもってやる!
ってきもちで、
じつはいきているというのに、
まったく…のんきで、
…。
じゆうにほんぽうに、
いきていたやつに、
えらそーにされたくない!
おとうさんもおとうと。
おかあさんもいもうと。
おとうともおとうと。
さんにんでむれて。
いつもわたしはひとりで。
つめたくしてたのは、
つめたくしてたのは、
いったい…
どっち?
おねえちゃんてね、
たいへんなんだよっ!
さみしくても、
たえるんだよ!
おとうとに、てがらよこどりされても、
たえるんだよ!
おやがわりなんだよ!
そんなことも、わからないで、
おやがわりのおばちゃんおいて、
さきにいっちゃって。
ばーか!
つめたいのは、
どっち?
それをさきに、むすめにあびせるおやって?
そんなみんなの、
おねえちゃんしてあげてたんだよっ!
みえないきたい、
おもたすぎるのに、
ぜんぶせおって、
いちいちいわないから、って、
あたりまえになっていって…
だからいえをでた。
こうこうのともだち、
みんなおねえちゃんで。
かたりあったな~…
みんな、おとうとのてがらのために、
しんがくあきらめて、
おとうとなんて、
…
こまったことしかしないくせに。
…。
おかあさんみたいに、
いつもきにかけてる。
はなれてても、
どこかきになる。
…ばーか。