帰り道なのでここで処方してもらっています。
一階の薬局でもらって地下のここでまったりしながら、
手紙書いたり勉強したりブログ更新したり、お薬を飲みます。
それが唯一私がひとりに…私になれる時間です。
ライブに行く時もそうだったんだけど好きな音が聴けなくなっちゃったので、
やっぱりここに戻って来ました。
ここは私の驕りを矯正してくれる場所。
私の特徴がベースで外界で傷ついた心を癒してくれる場所。
少なくとも外よりは欲の無い状態に平らにリセットしてくれる場所。
斜め向かいに電動車椅子の女性がいらっしゃいました。
数冊用意して読んでいらっしゃいました。
軽食を楽しんでいらっしゃるようでしたが半身が不自由でいらっしゃるようでした。
その時、一冊本を落とされました。
車椅子ではどうにも取れ無さそうにされていたので、
咄嗟に体が動いて拾わせていただきました。
お礼を言われたのですが言語障がいをお持ちのようでした。
脳出血の後遺症だと拝察しました。
昨年亡くなった伯母を思い出しました。20年障がいと付き合っていましたから。
で、しばらくまったりしていたのですがその人の様子は視界のギリギリ境界に入っていました。
とてもとてもとてもとてもゆっくりだけれど不器用にしか映らないけれど、
他のご自分の事をひとつひとつされていました。
私はいたたまれなくなりました。
親切の押し売りをしてはいなかっただろうか。
その事で自分が満足してはいなかっただろうか。
そんな気持ちに苛まれ申し訳なくて情けなくて自分が愚かで未熟で涙が滲んでしまいました。
タイミングを見計らってその人にもう一度お声をかけさせていただきました。
『確かにお時間はかかられるかもしれないけれど、
こうしてご自分でご自身の事をお出来になる。
咄嗟に体が動いてしまったのですけれど、
もし余計な事をしてしまっていたのだとしたら、
本当に本当にごめんなさい。』
と少し大きな声で少し耳に近い位置で、
ゆっくりゆっくり、
一音一音ハッキリ発音してみました。
彼女はとても大変そうだけれど、
それでもゆっくり声を出して下さいました。
「あ、の・・・
し、ん、せ、つ、は、
と、て、も、
う、れ、し、い、で、す。
あ、り、が、と、う。」
どうしてそこまでやさしいの…
って思いました。
『ありがとうございます。
そう言っていただけて、
私が救われました。
本当に…ごめんなさい。
そして本当にありがとうございます。』
そうしてまた暫く互いに自分の時間を持ち、
彼女は病室に帰って行きました。
こちらをみて、
「さ、よ、な、ら、あ。」
と先にぎこちないお辞儀をしてくれました。
『あっ、さよならあ~

ゆっくり電動椅子が動いて行きました。
よかれと思っていた事が相手のプレッシャーになる事もある。
やさしいきもちを彼女に教えていただきました。
病院だから、色んな病気や障がいや、生と死がここにはあります。
私はとても勉強させていただけるし、
やさしさの交流があるし、
スタッフや患者さんや業者さんやボランティアの皆さんに、
それぞれの様相の愛をいただいていますし、
戒めていただいています。
決して病気や怪我や障がいは、
忌み嫌うものではありません。
こんなに愛がある。
体で心で見せてくれる。
私は声を大にして言いたい!!
おかず買って帰りま~す☆