春を待ちて。穴蔵で。でも厳しい冬を乗り越えた美しさも知っているから。全てを捨て、幼き吾子らと、旧き一間で、身を寄せていたあの日。天使達の寝息に、震えた或の日。ただ無になるまで内側に、外に向かえるその時迄、内側に。ただ深く。ただ深く内側に。無になるまで。