少年は空へ届いたか/1000ft
①試験管の花瓶
②生けたナノハナ
③白い木枠
④結露した窓
ボクはそっと開け放って、
広がる春の世界に空を認めた。
⑤水色のタイル
⑥流れてく鉱水
⑦割れたレンズ
⑧黒い一眼レフ
思いついて覗いてみれば、
分離したその世界で空は瞬いた。
シャッタースピードの中、残像のこして拡散してく、
その視点を1000フィート上空で写してみれば、
どう?打ち寄せる悪意とか、少し見え方が変わるかな?
欠落を知って曖昧を知ってこのボクは、
相変わらずなこの星の上、たまには少し笑ってみるよ。
ボクはその部屋を出て、
視線上にピントあわせて助走をつけた――――。
パルス信号のような眩暈。数秒で離陸する意識。
視点を1000フィート上空へ移してみれば、
理不尽なコトバたち、
嘘だらけの真実、
冗談みたいな思考、
キナ臭い群像とか、
少し見え方が変わってゆく。
変わってゆく。
いくばくかの祈りも、一緒につめて。
おれはココロが震えた。
読んでみて、どうおもった?
空気の奥のココロは掴めた?
掴めなきゃ一生偽物だぜ。