👊武尊👣
チームドラゴン→KREST所属
オーソドックス・ベタ足・ハードパンチャー・団体の看板
戦績:40戦39勝(23KO)1敗0分
通り名:ナチュラルボーンクラッシャー、K-1のカリスマ
そう言えば武尊についてブログで書くのは初めてか…
今や武尊はK-1で一番メディア露出のある選手で、女性ファンもK-1を好きになるきっかけとして武尊をテレビで視たからという方も多いのではないだろうか。
私が武尊を初めて見たのは後楽園ホールで行われたKrush.51(2015年2月6日)。
当時K-1-55キロ王者になったばかりの武尊がサイン会をしていた。
今やったらとんでもない事になるが、当時は全然人が並んでいなかったので普通に話しかけたのを覚えている。
私「テレビで視たらめちゃくちゃ大きいイメージがありました…」
武尊「そうなんですよwちっこいんです俺w」
私「60キロには上げないんですか?」
武尊「あ~それはジムの先輩の関係で…」
私「なるほどねぇ…」
こんな会話したのを覚えている。
余談だが会ったらちっこかったというのは武尊に限った事ではなく、実際目の前で見たグラビアアイドルなんかにも感じる事ではある。
その後もK-1は武尊をイベントの中枢に据えており、K-1大阪大会前にも講演会があったので観に行ったり、甲子園球場で始球式してるのを観に行った記憶がある。
今ではカリスマと言われている武尊だが実際会って話してみると、良い意味で普通の優しい青年だなという印象だった。
ただそんな普通の青年の様に感じている武尊だが、試合では闘神の如き強さを魅せる。
試合中殴り合いが楽しくて楽しくて仕方ないと笑顔を浮かべながら圧倒的な剛拳の連打・右オーバーハンドでKOするシーンが目立つが、序盤インロー・クイック左ミドル・テンカオの様な足技で削ってからの事が多く、試合運びについては理性的な選手であると思う。
また武尊には他の選手には無い…
いや、正確には武尊と堀口恭司にしかない所属団体を背負う自負を感じる事がある。
📀武尊VSチャールズ・ボンジョバーニ📀
この日の興行は現在も活躍するK-1のトップ選手が多く出場したがKOが無く、会場が凍り付く様な所謂塩興行だった。
まぁそんな事は格闘技では良くあるが、問題はRIZIN旗揚げ直前だった事…
良い勝ち方をした選手には地上波で放送される可能性がある、RIZIN出場のチャンスがある興行が塩興行…
これはヤバいんじゃないかと感じた興行を救ったのは武尊だった。
変則的なチャールズ・ボンジョバーニにまさかのダウンを喫するも逆転勝ち。
そこから「年末空いてる」とのマイク…
那須川天心との邂逅…
そして組まれた相手はヤン・ミン…
誰だお前⁉️と全力で突っ込んだもんだ。
📀武尊VSユン・チー📀
こちらはヤン・ミンと同じ中国人だが、小宮山工介からダウンを奪い、POD所属でボクテクに定評のある神戸翔太を粉砕したユン・チー。
…ではあるが、所属武林風ではチュー・ジェンリャン、ウェイ・ルイの様なSクラス評価には劣る選手…
団体トップならまだしもそんな選手にもし団体の看板の武尊が負けてしまえば…
世界からK-1は武林風より下の烙印を捺されてしまう。
そんなピンチを武尊はまたしても覆す。
1Rユン・チーにボディを効かされるも、兄弟子卜部弘嵩の激励(ボディ効いたと伝えたら、お前ぶっ殺すぞと怒られ、こっちのが怖いわとなったらしい。)により奮起しフックの癖を見抜き合わせて2R怒涛のラッシュでKO勝ち。
この試合は個人的にはフェイスオフの笑顔のユン・チーが差し出した手を、殺気ムンムンの武尊が払い除けてユン・チーの笑顔がスーッと消える所を含めて好きだったりする。
この様に武尊は自身の所属団体を背負い外敵と戦っている様に感じる。
堀口恭司にも武尊と同じモノを感じるが、その様な選手には感情移入してしまう部分がある。
因みに井上尚弥は日本のボクシングを背負っていると感じるし、那須川天心は自分自身を背負っていると感じたりする…
さてそんな武尊が今回戦う相手は…
👊レオナ・ペタス👣
戦績:35戦28勝(12KO)6敗1分
通り名:石の拳
オーソドックス・フットワーカー・長身・マジカルボクシング
レオナを初めて認識したのは大月晴明との試合…
📀大月晴明VSレオナ・ぺタス📀
大月晴明は当時ヤスユキさんと試合したいと主張しており、右ストレートの質がよく似ていると述べているのが印象的だった。
📀ヤスユキとは…📀
因みにヤスユキさんはもう引退されたが、好きなキックボクサーの1人で、殺気が見えないファイトスタイルだった(今いるキックボクサーなら横野洋がよく似ている)。
レオナのファイトスタイルは個人的にはマジカルボクシングだと思っている。
マジカルと表現するのはノーモーションストレート・リーチ・フットワークの組み合わせ故。
フットワークを使う選手は沢山いるが、これ程のリーチがあり、ノーモーションストレートの打てる選手は中々いない。
フットワークで遠い距離から踏み込み、ノーモーションの左ジャブ・右ストレートで試合を構成。
さっきは届かなかった筈のパンチが、フットワーク・リーチにより届くので、対峙した相手からすると魔法みたいで困惑する事この上無いだろう。
📀レオナ・ぺタスVS小宮山工介📀
📀レオナ・ぺタスVS村越優汰📀
特にサウスポー・スイッチする様な中間距離で試合を構成するファイトスタイルの選手からすると、レオナが遠距離にいるのでまず蹴りが当たり辛い。
更に距離感覚で相手の攻撃が届かないので、普段ディフェンスしない意識でいるとレオナのパンチは割り込んでくる。
相性最悪と言えるだろう。
では武尊との相性はどうだろうか?
レオナ・ペタス優位な事項
①武尊のインローが当たらない。
📀レオナ・ぺタスVS朝久泰央Ⅰ📀
📀レオナ・ぺタスVS朝久泰央Ⅱ📀
この2つの試合は同様にレオナ・ペタスが朝久泰央と戦った試合だが、蹴り…特にインローがまともに当たり辛い距離にレオナがいる。
勿論武尊は朝久泰央とはタイプが違うが、先に述べた様にインローで試合を構成する選手…
レオナが遠距離にいて左ジャブで試合を構成すれば、武尊は消耗するだろう。
武尊は踏み込む必要があるが、村越戦の様な展開になればそのままジリ貧になる。
②レオナのストレートを被弾する。
実は私が武尊の試合を初めて視た時感じたのは、構えが大きいからストレート被弾癖あるなという事…
📀武尊VSアレクサンダー・フリリップ📀
ただユン・チー戦くらいから武尊はパンチをバックステップで避けるので、パンチの被弾は少なくなっていると思う。
ただレオナのフットワーク+ノーモーションストレートは…
③打ち合いでレオナ優位。
とかく長身でリーチのある選手は遠い距離で戦えば強いが、至近距離になると弱い。
腕が長ければそりゃ短いより回転数が劣るので打ち合いに向いていない。
ただ通常の打ち合いはフックの交錯なのに、レオナはストレートを打ち落とす。
📀レオナ・ぺタスVSジャオ・チョンヤン📀
ジャオ・チョンヤンという選手は朝久裕貴に敗れはしたものの、フィジカルの強い良い選手でありレオナとな相性ならチョンヤン優位だと思っていた。
だがレオナがストレート連打がKO勝ち。
フックを連打する武尊とストレート連打するレオナなら、仮に打ち合いになればレオナのストレートが先に当たる可能性が高い。
武尊優位な事項
①フットワーカーは詰められると弱い。
📀レオナ・ぺタスVS大岩龍矢📀
基本的にフットワークのファイトスタイルの選手は踏み込む前提なので、距離を詰められてしまえばフットワークが使えなくなってしまう。
レオナ・ペタスも勝ちはしたものの、武尊の同門の大岩龍矢に攻められて苦戦している。
②背の高い選手はオーバーハンドを被弾する。
📀レオナ・ぺタスVS闘士📀
レオナ・ペタスは武尊に比べて背が高く、左手を下げて上に突き上げる所謂フリッカージャブを使う選手…
左手ガードは下がりがちであり、そこに武尊の右オーバーハンドが入れば…
背が高いという事は遠い距離ではリーチを活かし優位でも、至近距離で下…人間にとって死角から打ち込まれたら反応出来ずパンチを喰らってしまう。
背の高い選手が通常苦手な打ち合いで優位に立てても、全ての弱点が消える訳では無い。
…あともう1つレオナ対策で考えられるが、その点は武尊が突くのは難しいだろう。
😆👑👑試合予想👑👑😆
レオナ・ペタス6:4で有利。武尊がインローで組み立てる距離にレオナはいない。
レオナは武尊に詰められたら厳しい。
個人的にはこの様に考えられるが、積極的に動かなければいけないのは武尊だと思う。
📀武尊VS村越優汰📀
この試合の様に序盤武尊が翻弄されれば、レオナがペースを奪い小宮山戦の様にアウトローにカウンターの左ジャブを痛打する場面もあるさもしれない。
そして焦ってダメージのある武尊が強引に振り回した所に、レオナのストレート系連打が当たれば…
😆👑👑試合動画確認👑👑😆
📀武尊VSレオナ・ぺタス📀
1R:10-8(武尊)
レオナ・ペタスのインローから試合が始まる…
そして武尊のカーフキックが当たる。
レオナのインローに武尊がカーフキックを返す。
レオナの左ジャブ→インロー。
レオナのワンツーを武尊がバックステップで対処。バックステップで対処出来ている。
レオナの前蹴りを武尊が捌く。
武尊のカーフキックをレオナがバックステップでかわす。
レオナのインローを武尊が捌く。
武尊が前に詰めてレオナにインロー。
レオナが左インロー・左ミドルと出すが武尊は捌いている。
武尊のカーフキック、レオナのインローの攻防。レオナはローキック多用。
魔裟斗氏「武尊もねこないだの1ヶ月前のK-1AWARDSにね、ちょっとカーフキックの練習してるって言ってたんです。最初カーフ蹴ってましたよね。」
アナウンサー「これ当然遠い間合いならレオナ・ペタス、長距離です。」
武尊がいきなりのスイッチ右オーバーハンド。
レオナはかわす。
尚もローの攻防から、レオナの左インロー→左フック→右ストレート。
武尊が笑みを浮かべる。
武尊のカーフキックにレオナが左ジャブを合わせる。武尊はディフェンス。
レオナのテンカオに武尊が右オーバーハンドを合わせる。
レオナがディフェンスし武尊にテンカオが入る。
レオナの左ジャブが入るが、武尊はそのまま右オーバーハンド。
レオナも右ストレートを打っている。
レオナのワンツーを武尊がバックステップで対処。
レオナの左ジャブに武尊が右オーバーハンド。
双方左フック相討ち。
そのままレオナのワンツー→左ジャブに武尊が右フック→左ジャブと打つがレオナが打ち勝つ。
武尊の右カーフキック。
レオナの左ジャブに武尊が左前蹴りを打ち、これはローブローになる。
再開後に武尊のインローをレオナが避ける。
逆にレオナがインロー→左ジャブと入れる。
レオナのアウトロー→インロー。
武尊はカーフキック→インロー。
レオナのインローを武尊が捌くが、再びレオナのインローこれは当たる。
レオナの右ミドルに武尊はクイック左ハイ。
レオナの左ジャブに武尊がインローを返す。
レオナのインローに武尊が強引に入り右オーバーハンド→左フックもレオナはかわす。
ここでややレオナがフットワークを使い、武尊に左ジャブを打つが武尊はブロック。
武尊の右カーフキックにレオナは左ジャブを返す。
続けてレオナは左ジャブ→右飛びヒザ。
良いタイミングだったがクリーンヒットはせず。
着地した所に武尊が猛然と左右のフックで襲いかかる。レオナは後退しながら捌くが、インロー・テンカオと入ったか。
逆にレオナは左フックを入れる。
武尊のカーフキックにレオナがワンツー→左フックを入れるが、武尊は笑いながら首を振り前進。
レオナは右飛びヒザ→右フックを打つがこれは低い。
武尊の右フックを避け、レオナが左ジャブ。
武尊はインローを入れる。
再び武尊はクイック右ハイ。
蹴りの攻防だがやはり距離は近い。
武尊のインロー・カーフキックが入る。
レオナの左ジャブが入り、打ち合いが始まる。
双者フルスイングのワンツー→左フックだが、武尊がレオナを捉えレオナがもんどりうってダウン‼️
立ち上がるレオナだがダメージは濃厚か…
2R:10-7(武尊KO勝利)
2R開始、ブロッキングしながら前進する武尊に、レオナは小刻みに左ジャブ。
武尊はカーフキック。
攻防は武尊のローが入り完璧に武尊ペース。
だが武尊が雑にカーフキックを打った所に、レオナの右ストレートがまともに入る。
下がる武尊をレオナが追いかけ打ち合いが始まる。
レオナはやはり打ち合いでストレートをフルスイングしている。そうすると武尊のフックの方が回転が速い。
武尊が勢い余って膝から崩れ落ちるが、パンチは当たっていない。レオナが右ミドルを打つが武尊は避けている。
武尊の右フックでバランスを崩すレオナにダウン宣告が入るが、そのまま起き上がり再び向かっていった所に右フック→左フックがクリーンヒット‼️
再開後に冷静にカーフキックで攻める武尊に、パンチで返すレオナ。
レオナ飛び膝も当たらず、武尊はフックの連打でレオナは当たらずもバランスを崩し中々立ち上がれない。カーフキックが効いているか…
最後も武尊の左フックをレオナは避けるも、武尊のウィービングしながらの右ストレートに対して、レオナは頭を振らず右ストレート。
武尊のKO勝ちとなった。
①レオナがフットワークをほぼ使わず。
アナウンサー「これ当然遠い間合いならレオナ・ペタス、長距離です。」
この何気無い台詞にもある様にアナウンサーからしても、レオナ=遠い間合い・長距離という認識だったと思う。
だがこの試合のレオナはほぼ前足を浮かせないベタ足で、序盤から足の蹴り合いになった。
勿論フットワークを使えばレオナが勝っていたかと言われればそんな事は無い。
ただ武尊がインローを当てる為に前に出るという過程が無くなった。
この試合は最初から真っ向勝負であり、それならばレオナでなく武尊の土俵だったと思う。
それをさせる事が出来るのが武尊の武尊たる所以なのかもしれない。
…そう考えると自分を貫いた村越は凄いな。
②武尊のカーフキック
魔裟斗氏「武尊もねこないだの1ヶ月前のK-1AWARDSにね、ちょっとカーフキックの練習してるって言ってたんです。最初カーフ蹴ってましたよね。」
📀堀口恭司VS朝倉海Ⅱ📀
去年の年末の試合以降旋風の止まらないカーフキックであるが、この試合でも有効打になった。
通常の右アウトローならば蹴られ慣れている、鍛える事のできる股部分を蹴る、そして試合中アドレナリンも出ているので少なくとも3Rならばプロに効かせるのは難しいと思う。
だがカーフ=脹ら脛部分は耐える事が出来ない。
カーフキック自体には実際幾つか対策は出来得るが、少なくともレオナの爪先内向き構えであればまともに貰って効かされるのは自明の理である。
③武尊の打ち合いの技術
真正面からの打ち合い、両者フルスイングでも頭を振りながら、いわば自分の正中線を外し相手の正中線を打ち抜いたのは武尊だった。
打ち合いは一か八かの所があるが、今回の打ち合いは武尊が打撃技術として必然的に上回った打ち合いだった。
④武尊の金的
これは言うべきでない事かもしれないが、金的はやったもん勝ち。
武尊がこの試合でわざと前蹴りを金的に当てたとは言わないが、1Rレオナ優勢の流れは遮断された。
金的も複数回当たれば非難されるが、1回なら仕方無いかなとなる。
恐らく武尊と那須川天心の試合でも金的はあるだろう。
📀魔裟斗VS山本KID徳郁📀
📀那須川天心VS堀口恭司📀
😆👑👑雑感👑👑😆
この試合自体素晴らしい試合だったが、武尊にとっては那須川天心との試合の前に負ける訳にはいかない試合だった。
武尊にとっては先を見据えての試合になるが、人間どうしても先を見据えるとしっぺ返しを喰らってしまう事がある。
📀山崎秀晃VS 瑠輝也 Ⅱ📀
そこでこの様に強い挑戦者相手に、那須川天心を前にして完璧なKO勝利を魅せた武尊は素晴らしいとしか言い様が無い。
夢の対決というのは得てして実現しない事が多いが、ここまできたらもう待ったなしの状況である。
結局格闘技は強い者と強い者が試合したらどちらが強い❓というのが一番の醍醐味だと思っている。
試合をすればどちらかが負けるのは当たり前であり、それは喪失感を伴うだろう。
それでもやるべきだ。
それが格闘技だと私は思っているm(_ _)m