👊江川優生👊
戦績:13戦10勝(6KO)2敗1分
POWEROFDREAM所属、時折スイッチを見せるが基本的にはオーソドックススタイルのソリッドパンチャー。通り名は足立区の怪物…
同門の兄弟子武居由樹が攻撃的なファイトスタイルのサウスポーであるのとは対照的に、ブロックディフェンスの優れたオーソドックス主体の選手。
個人的には日本のキックボクサーの中でも有数のボクテクの持ち主だと考えており、キックボクサーがパンチ偏重の試合運びをしていたら以前「キックボクシングはパンチだけでは勝てない。」と嘯いていた私に「ひょっとしてキックボクシングだけど江川優生にはキックは逆に邪魔なのかな…」と思わせてしまう程。
初めて試合を視た結城将人との試合ではその強さより、ダウンを奪った後喜びを露にする選手が多い中、冷静に相手のダメージはどれくらいか観察する姿を見て驚いた事をよく覚えている。
📀数年前に注目している選手について話し合ったモノ(懐かしい。皆さん元気だろうか)📀
この選手は末恐ろしい…
いつか必ず王者に、そしてキックボクシングを代表する選手になるに違いないと感じた。
…ただこの王座戦まで順風満帆な道程という訳では無かった。
📀森坂陸VS江川優生📀
📀桝本“ゴリ”翔也VS江川優生📀
ある時はパンチ主体過ぎるが故にクイックモーションの左ミドル主体の森坂陸に競り負け、またある時は勝てばK-1の世界トーナメントもかくやという試合では蹴りを交えた新たなファイトスタイルで試合を優勢に進めるも最後の最後で桝本“ゴリ”翔也に起死回生のダウンを喰らって敗けてしまったり(因みに両方会場で観た)…
同門の兄弟子である武居由樹がK-1の花形選手として脚光を浴び、兄弟子のK-1のベルトを目を閉じながら掲げセコンドとして入場する江川の胸中にはいずれ自分も追い付きたいという思いはあったと思う。
アマチュア時代はそんなに勝てる選手では無かった。自分は雑草です。
そう語る江川がやっと辿り着いたkrush王座戦。
その対戦相手は…
👊西京春馬👣
戦績:18戦14勝(4KO)4敗
KREST所属のサウスポー、通り名はスピードモンスター…
個性的な選手の多いチームドラゴン育ちのサウスポー。
その通り名の通りのスピードで打って離れてのヒットアンドアウェイ、そこからライトニングレフト(飛び込みワン・ツー)を打ち込みそして引く相手の攻撃を貰わないファイトスタイル…
ただ私は似たようなファイトスタイルの選手は誰かと考えればボクサーのギシェルモ・リゴンドーだと感じる。
📀ギシェルモ・リゴンドーVSノニト・ドネア📀
打ったら離れて強引に倒しに行く事の無い自分の距離の中、安全圏で試合を進める良くも悪くも公務員的なファイトスタイル故か、人気者の小澤海斗を2回圧倒するなど確かな実力のある選手ながらややファンの支持を得られない傾向はある。
有力なジムに所属されているからか贔屓判定気味な試合もあったりするし…
📀朝久裕貴VS西京春馬📀
この二人が試合すると聞いた時感じたのは、江川ファンとしてやっとこの時が来たという気持ち。そして江川にとって西京は相性が良くない相手だという事…
ブロッキングしながら一歩前進する江川と、打って二歩バックステップする西京では、それぞれのタイプは違えど小宮山工介VSスアレックの様に西京が江川を翻弄する可能性が高い。
📀小宮山工介VSスアレック・ルークカムイ📀
もし攻略する可能性があるとしたら椿原龍矢が西京春馬を破った試合運び…
📀椿原龍矢VS西京春馬📀
ただこれは教科書とは言ったものの流水の様な動きの出来る椿原だからこそ出来る試合運びであり、江川の動きとはまた違う。
この様な動きを江川がするにしても本来相性の悪い西京に肉薄出来るか…
…と言うのが試合決定した日の考え。
大晦日のある試合を目の前で観て新年早々失意のドン底に沈む反面、もしかしたら西京春馬にも有効じゃないだろうかと感じた。
まぁそれが今回の試合に作用されるかどうかは分からなかったが…
😆👑👑試合動画確認👑👑😆
1R:10-9(江川優生)
フェイストゥフェイスの時点で普段の江川優生なら動作は少なくしっかりと両手を差し出してグローブタッチするが、今日の江川はリズムを取る様に腕を振り片手を差し出す。
試合開始。江川は普段よりフェイントを重視した動きに思われる。
ファーストコンタクトは西京の左ミドル、逆に江川も右ミドルを返すが西京は後退して当たらない。
西京はそこから距離を取ろうとするが、江川は逃さない。
西京のインローに右ストレート→大振りの左フックを振るう。
江川のクイック左ミドルに即座に西京がクイック右ミドルを返す。
西京の蹴りに江川が左フックを返すがこれは西京はブロックできちんと対処。
江川は蹴りからサウスポーにスイッチしながらスムーズに右ストレート→左フックのコンビネーション。西京もフックの連打で返す。
西京の左ミドルに対して距離を詰めた江川はワンツー→左フック→右ストレート→左アッパー→右フック→左フックと目視では追い付かないスピードのパンチのコンビネーション7連打を見舞い西京もたまらずクリンチする。
江川は小刻みにフェイントを交え前進。
西京の左ミドルに大振りの左フックを狙う。
距離が離れた所に江川は右ストレートで入るが、ここは西京がブロックからショートの右フック→左フックとヒット。
ただ江川は意に介さず前進しながらのワンツー。またしても西京はクリンチ。
そこからの攻防は江川がインローをコツコツと当てる展開。ここで西京のライトニングレフトは江川が軸移動で対処、封じている…
このサウスポーのワン・ツーへの対処は同門に武居由樹がいてこそのモノだろう。
そこから江川はパンチで攻めてからの右ロー→サウスポーにスイッチしてからパンチの連打を見舞い西京は頷く動作を見せる。
互いにインローを蹴る展開からの江川のクイック左ミドル→右ストレート。そこからフックを振るうもここは西京が前手でディフェンスする。
蹴りの打ち合いになるも江川が左フックを織り混ぜ西京をガードの上から弾き飛ばす。
そこからの攻防も江川が右フック→左ボディ→左フックと繰り出す。本当に速すぎて目視では追いきれない…
そこから終盤の攻防は距離を取ろうとする西京をサイドステップで追い詰める江川。
ただ江川の左フックを見切ったか、当たりはしないものの西京が左ストレートを返しR終了。
1Rは終止前に出て攻勢の江川のRだろう。
2R:江川優生(10-9)
R開始前にも手を振るいリズムを刻む様な江川。誰かの仕草を思い浮かべている様な…
2R開始も西京の左ミドルから始まるも江川はフェイントを刻みながら前進。西京は後退し、距離を取ろうとするも江川はサイドステップからサウスポーにスイッチ、左フックを振るいそこから連打。互いにフックを振るい距離が空く。
西京のインローに江川は右ミドル、西京がインローを蹴った所に江川は距離を詰め右フック→左フック。そして当たりはしないが大きいモーションながら軌道の見え辛い左アッパーを繰り出す。
江川はバックステップし逃れる西京を追い詰め、右ロー→そのままサウスポーにスイッチし至近距離での左フック→右ボディ→左フックアッパー。西京はガード。
蹴りの攻防が続くもまたしても江川が左フック、西京はライトニングレフトを放つも江川はバックステップで軽く対処。完璧に見切っている。そこからの攻防でも江川の左フックが側頭部を捉える。
そこからしばし蹴り合いが続くも随所随所で江川の左フックが有効に西京の側頭部を捉える。
蹴り合いからも江川は膝を上げる動作からワンツー→左フックそしてバックハンドブロー…
江川の試合はかなり観てきたがバックハンドブローは記憶に無い。
そこからの攻防でも江川は中間距離を右アッパーのフェイントで距離を詰め、右ミドル→サウスポーにスイッチし打ち下ろす右ジャブから西京の右フックを避けながらの右フックがクリーンヒット‼️その後はめぼしい場面は無いが完璧に江川のRだろう。
3R:江川優生(10-9)
インターバル中の西京は効いているのか何か違和感があるのかキツそうな表情を浮かべている。一方眼光の鋭い江川。
最終R開始、江川のインローに西京は左ミドルを返す。
そして江川は先程のRに見せたバックハンドブローを再び繰り出すも、ここは肘の注意を受ける。だが注意後も江川は右ボディ、ワン・ツー
、側頭部への左へのパンチが冴え渡る。
逆に西京のライトニングレフト…
いやもう閃光の様な速さは無い。
バックステップで軽く対処されている。
そこから互いに打ち合いになるも江川の右ボディストレートが西京を捉える。
西京は飛びヒザを狙うも江川はかわし西京は転ぶ。そこからまたしても再びの打ち合い。
西京は果敢に前に出て打ち合うもボクテクは江川が上。
西京のパンチはもはや速さが無くなっている。体が流れている様に見える。ただ前には出ている。でも私にはこのRも江川のRに見える。
📀江川優生VS西京春馬📀
コープス讃岐うどん@mosagon
会場で観た時は「やったれ江川‼️」と叫んでてそれ所じゃなかったが、映像を見直すと最初のグローブタッチの瞬間からいつもと違う。小刻みに腕を振るい何よりグローブタッチでは片手を差し出している。覚えている限り今迄の試合では両手を差し出しているm(_ _)mhttps://t.co/xt6J40AVWb
2019年02月02日 18:47
👑 フロイド・メイウェザーVS那須川天心 👑
この試合は本来のファイトスタイルなら江川にとって西京は相性が悪い。
だが西京とよく似たファイトスタイルの那須川天心がフロイド・メイウェザーに敗北を喫したあの平成最後の大晦日の悪夢が色濃く影響を与えた試合だった様に思われる。
📀フロイド・メイウェザーVS那須川天心📀
①左フック(アンダー・ジー・イヤー)
ライトニングレフト…
西京にとっての踏み込みワンツーは必殺技と言える最大の武器だろう。
それは那須川天心の武器の一つでもあり中間距離の蹴りのあるキックボクシングでは、蹴りに混ぜれば最大の武器に成り足り得る。
だがボクシングでは上のレベルの選手なら対応でき得る武器だとは思う。
📀 シーサケット・ソールンビサイ VSローマン・ゴンザレスⅡ📀
この試合はサウスポーのシーサケットがオーソドックスのローマン・ゴンザレスの単発右ストレートに前手の右フックを先に当てて倒した試合だが、相手がストレート狙いだとさえ分かれば前手のフックを合わせる実例である。
同門に西京に勝るとも劣らない優れたサウスポーのボクサー武居由樹がいる江川なら、普段から対策ができたとも思う。
📀 平本蓮 VSゲーオ・ウィサレック📀
因みにゲーオも西京同様に踏み込みワンツーを多用するが、この試合では平本蓮に前手の左フックを臭わされ封じられている。
また、メイウェザーは那須川天心相手にアンダー・ジー・イヤーを狙っていた。
今回の試合でも明らかにアンダー・ジー・イヤーを狙う左フックが見られた。
このパンチは三半規管を揺らす危険な打撃でダーティだとは思うが反則ではない。
大晦日の那須川天心の様に倒された後に足がもつれていれば分かりやすいが、西京の3Rのインターバルの表情。
そして消耗度はアンダー・ジー・イヤーの効能もあったのかもしれない。
②フェイント
格闘技には沢山の種類の競技があるが、プロ興行ではボクシング・MMA・キックボクシング(ムエタイ)があり個人的な考えとしては優劣は無い。
総合的な強さなら間違いなくMMAだろう。
立ち技の選手は寝かされてしまったらどうしようもない。
精度の高い攻防、世界に通用する日本人選手を日本で観やすいのはキックボクシング(ムエタイ)だろう。
そしてボクシングは攻撃箇所が拳二つである事からかフェイント技術が一番秀でていると思う。
大晦日の試合については最初の攻防でメイウェザーの捨てフェイント含めて全てのフェイントに反応していた様に思われる。
私個人的な考えではあるが、それはキックボクシングではともかくボクシングでは正解では無いと思う。
フェイントを警戒すれば、思い切りが必要になりライトニングレフトは打ち辛くなる。
また、単純に左フックを狙っている事が分かれば逆に左ストレートを合わせられる可能性があるし、西京なら合わせられる。そこにこんな動きもあると警戒させられる大振りの右アッパーのフェイントも素晴らしかった。
③サイドステップ
そしてサイドステップ…
キックボクシングの攻防は基本的に真正面からの“攻防”であり、逃げる相手を追い掛ける時には“前進”する。
前進すれば後ろに下がりながらの“サークリング”で逃げられれば“ベタ足”では追い付く事は出来ない。
だが大晦日の試合でメイウェザーが那須川天心を追い詰めたフェイントを交えた“サイドステップ”。
真正面からの攻防のキックボクシングではあまり見る事の無い技術。
コープス讃岐うどん@mosagon
キックボクシングは基本的に真正面からの攻防が多いが、この試合ではサイドステップが多く見られた。…と言うか大晦日のあの試合の技術が多く見られたm(_ _)m https://t.co/DVVv5BQiXc
2019年01月29日 12:34
この動画にある様に今回の試合での江川はサイドステップ→蹴りでサウスポーにスイッチ。
その体勢からスムーズにパンチを打つ事が出来ていた。
そしてポーカーフェイスではあるがそれは自分の思い通りに試合を展開できているからでこそであり、動揺が見て取れる西京にバックハンドブローの攻めは見事だった。
※因みにこれがキックボクシングの那須川天心に通用するかどうかはまた違うと思う。
西京春馬と那須川天心の決定的な違いは蹴りの運用。
必要最低限の動きの西京と違い那須川天心は蹴りのファンタジスタで何をしてくるか分からない。
今回の試合では江川はボクシング技術に秀でており、そしてボクシングベースの試合に終始できたが恐らく那須川天心相手にはそう巧くいかないとは思う。
😆👑👑雑感👑👑😆
この試合を実際に目の前で観て感じた事は…
このツイートの意味は…
格闘技はどうしても相性がある。
真正面からやって敗けても仕方ない。
一生懸命頑張りました。
でも敗けてしまいました。
また頑張りますので応援宜しくお願いします。
勿論その選手をファンはこれからも応援するだろうし、俺もそれで良いと思う。
ただこの試合についてはその相性差を埋める為のチャレンジャー陣営の戦略が見えた素晴らしい試合だった。
ファンが観たいのは応援している選手が勝つ姿だ。
敗けて謝られると辛い。
共にフロイド・メイウェザーファンの二人のキックボクサーの王座戦…
結果として大晦日に日本の格闘技界をドン底に叩き落としたメイウェザーが微笑んだのは江川優生だったm(_ _)m