👊大雅👊

戦績:26戦20勝6敗(6KO)
元K-1スーパーフェザー級王者。
旧K-1時代に魔裟斗二世として注目されていたHIROYAを実兄に持つ。
相手の間合いにフットワークで一気に入り込み、嵐の如き回転力のあるフックで相手を薙ぎ倒すサウスポー…
特にK-1-60㎏日本代表決定トーナメントでは準々決勝、準決勝で抜群のパフォーマンスを発揮。決勝では卜部功也を破る大判狂わせを起こした。
 
 
 
 
…とまぁこれが大雅のファイトスタイルのおおよそのイメージだとは思うが、私が大雅の試合を初めて観た名古屋でのkrush-55㎏タイトルマッチ。
相手は瀧谷渉太で当時krushの絶対王者として君臨。
大雅がいくら8戦無敗とは言え流石に厳しい相手かなとは思われていたが、どちらが歳上の王者か分からないくらい大雅が瀧谷を翻弄。2Rにダウンを奪い勝利…
王者である大雅の地元名古屋での開催。
しかもメインイベントという事もあり、会場は若い挑戦者大雅への野次で埋め尽くされた。
他人事ながら近くの席のお姉さんの「私の弟大雅って名前だから辛い。」という言葉に深く共感したのをよく覚えている。
 
 
19戦6KOの戦績を見れば分かるが、大雅が型にはまればどうしようもないくらいの豪腕ファイターになったのは-55㎏→-60㎏に階級を上げて以降であり、それ以前は現在の豪腕と言うよりタイミングで倒せる技巧派の選手だった。
階級を上げて以降もチェン・ウェンドゥー戦、皇治戦は相手を翻弄する技巧派としての試合運びを魅せている。

 

 

この辺りの打って離れての豪腕・技巧派どちらもできるファイトスタイルは個人的には交遊のあるボクサー八重樫東を彷彿させる。
また、これはファイトスタイルは関係無い事だが抜群のパフォーマンスを魅せる一方打たれ脆い面も似通っており、そこも重ねてしまう一面かもしれない。
 
 
 
K-1離脱、2連敗を挟んで国内で試合をする為のK-1の試合毎更新の1年契約期間もやっと終わっての再起戦。しかもいきなりRIZINという大舞台で絶対に敗けられない試合を迎える事になった。
そこで迎える対戦相手は…
 
👣原口健飛👊
戦績:9戦8勝1敗(5KO)
ACCELフェザー級王者。
兵庫県西宮市KickLabに拠点を置き、東京を主戦場にするRISEに参戦。
空手の蹴りとボクシングのパンチを融合させたスイッチスタイル…
那須川天心がロッタンと激闘を繰り広げたRISE125ではROAD to RIZIN Kick Tournamentに参戦。準決勝でMOMOTARO、決勝で宮崎就斗を降しRIZIN Kick Tournamentへの出場権を手にする。
同日にはK-1の興行もあったがGYAOでも無料放送された為、原口健斗の試合を初めて視た方もいるかもしれない。
決勝ではトリッキーな踵落としでダウンを奪うシーンがあったが正直準決勝、決勝共に下がりながら巧く戦う試合運びであり今回のマッチメーク…元K-1王者の大雅の対戦相手としては流石に荷が重い印象になるのは仕方が無いだろう。
 
…まぁ仕方が無いのはあくまでこないだのRIZIN Kick Tournamentを視ただけの判断なら仕方無いだろうという話だが。
原口健飛について知ったのは一昨年の事だっただろうか…
神戸発祥のACCELという興行がある。
そこに普段東京で試合しているUMA選手が参戦すると知り気にはなっていたが、予定が合わず試合を観にはいけなかった…
その興行が終わった後とある記事を目にした。
 
正直関西人は大袈裟な表現が多いので、また大袈裟な事言ってるんだろうなと思った(笑)
 
 
試合動画を視たら大袈裟では無かった。
相手の上杉文博は当時、山崎秀晃が以前所属していた京賀塾の後輩でバチバチのKOを魅せる西元成史を破り、HOOSTCUP王者になった選手…
その選手をキックボクシング二戦目の選手が文字通り粉砕した。
蹴りは威力があり種類も豊富。瑠輝也を彷彿させる様な倒せる二段蹴りもある…
一時期はボクシングにも転向しており、その時に培った至近距離でも打ち勝てるボクテクの高さもある…

 

 

直近の試合では自分には課題があるので試したい事があると試合前のインタビューで答え、その通りの試合運びを魅せた。

 

 

 

大雅は確かに分かりやすく強い。
ただ原口健飛は大雅なら余裕で勝てるだろうというレベルの選手ではない。
 
大雅が勝つとすれば大雅の出入りに原口が対応できないまま付き合ってしまう事…
ハンドスピードではおそらく原口健飛より大雅が上であり、打ち合いになれば倒される可能性もある。
パンチ重視で戦ってしまえば大雅は止まらない。
武尊のバックハンドブロー、スタウロスのブーメランフックの様に余程予想外の一撃を入れられるなら話は別だが…
大雅のファイトスタイルは基本的にボクシングスタイル、相手の間合いに踏み込むタイプの選手としては本能型であり相手どうこうでなく自分のトップスピードで動く事で真価を発揮する。
大雅の思い通り・やりたい通りに動かせてしまえば手がつけられない。

 

 

 

では原口健飛が勝つとすれば…

卜部功也が大雅と最初に試合した時は大雅のスピードに反応できず、パンチ主体での攻防、そしてミドルキックを出していた印象がある。
再戦時には卜部功也が自分から距離を詰めフットワークを刻ませず、打ち合いには付き合わずフックの連打の隙間に左ストレートを叩き込んでKO、そして前蹴りを出していた印象がある。
そう。かの美人の篠原悠人のお母さんも言っていた…
おそらく個人的に心に残った言葉年間大賞間違い無しのあの言葉…
「前蹴りでいいからね」
大雅の様に踏み込んでくるファイトスタイルの選手…
つまりこちらに向けて真っ直ぐ踏み込んでくる相手を思い通り・やりたい通りに動かせない為、中間距離に釘付けにするには前蹴りが有効だと思う。
増して前脚から出すノーモーションの前蹴りなら相手は尚の事踏み込み辛くなる。
これが同じノーモーションのクイックミドルだとすれば如何にノーモーションでも、横から回し込む形になるので素早い踏み込みを止める事は出来ない。
前蹴りで踏み込み辛くなった所をローキックで削り、ミドルキック・三日月蹴りで攻める事ができれば…そこでストレート系のパンチも活きてくるだろう。
あと補足するなら余程自信が無ければ打ち合いには応じない事だろうか…

 

今回の試合は年末のRIZINキックトーナメントへの布石。

出場選手は四人らしいが、ここで原口健飛が脱落すれば内藤大樹が入るだろうか…

原口健飛は下馬評を覆す事ができるか?

それとも下馬評通り大雅が勝利するか?

共に熱望する那須川天心戦に向けて分岐点になる試合。会場で見届けたいと思うm(_ _)m

 

😆👑👑試合感想👑👑😆

 

1R:10-10(ドロー)

低い構えから強引に突っ込んでくフックを振り回す大雅に対して、原口健飛は前手を出し小刻みにスイッチをしながら蹴りを出す。

ただ大雅は踏み込むタイプの選手でも本能型であり、前手があろうとスイッチしようと踏み込んで来る。

そこに原口健飛はパンチで迎撃する狙いだろうか…

また、原口健飛のいきなりの右ハイでもきちんと反応してガードする大雅の姿に驚いた。

今までならモロの喰らっていたのではないだろうか…

原口の距離の試合。ミドルが当たるシーンもあったが、大雅のパンチが当たるシーンもありこのRはドローか…

 

2R:10-10(ドロー)

このRは原口が迎撃すると言うより、大雅のパンチを身を屈めて空振りさせるシーンが目立つ。

終盤にも大雅の鋭い右アッパーを回避したのは本当に驚いた。

一方の原口健飛はこのRも小刻みな蹴り主体。前蹴りは…少し出したか。

序盤にはバックハンドブローの印象も良いがクリーンヒットには至らずこのRもドローの様に感じた。

 

3R:10-10(ドロー)

原口健飛の単発右ストレート、右ストレート→右ハイ、バックスピンキックを大雅はきちんとガードして対処。

前蹴りは少なかったな…

逆に大雅の強引なフックの連打、飛びヒザの猛攻に終盤原口は押され気味にはなっていたが最後まで打ち返し・あわやと言う打撃もスリッピングアウェーで対処。

このRも明確な差は無いか…

 

📀大雅VS原口健飛📀

 

この試合自体は原口健飛が格上の大雅相手によく戦ってはいたが、大雅を封じ込める迄には至らなかった印象…

スロースターターの大雅は試合が進めばドンドン尻上がりに調子を上げていく(ここら辺は実兄のHIROYAに共通している点かもしれない)。

もし延長があれば、5Rがあれば恐らく大雅が勝利していたかなとも思う。

RIZINキックトーナメントが中止になりそうな現状では原口健飛が年末のRIZINに参戦する可能性は低くなっただろうか…

試合前にはあの程度の相手、試合後にも視もしないでよく分かんない相手と言われているのを見かけたが、東京で興行が行われていても現状は会場内で完結しているガラパゴス状態のRISEに参戦していれば、いくら強くても中々知名度は上がらないのも仕方ないだろう。

RISEの来年に期待したい。

一方の大雅は今までは圧倒的な速さの攻撃はあれど、ガードが低くディフェンスは…というイメージだったが格段に反応が良くなっていた様に思える。

個人的には年末にRIZINで那須川天心と5Rルールで試合して欲しい。

勝敗はどうあれ、それが一番綺麗な形だとは思う m(_ _)m