k-1、いや格闘技全般に言える事かもしれないが個人的に以前は中国人選手=弱いという印象があった。
それが変わったのはとある試合を視てから…

 

 

この試合で中国人選手=チュー・ジェンリャンと試合しているモサブ・アムラーニは野杁正明には敗けこそしたが、久保優太に勝利。

当時はGLORY上位にランクする強い選手という認識だったので、中国人に敗けたと聞いて耳を疑った…

最初は中国開催という事でホーム判定で勝ったんだろうと思い、動画を視て更に驚いた…

明らかに実力勝ちしている。中国人でこんな一流ボクサーみたいなパンチが打てる選手がいるとは思いもしなかった。

それ以降は認識が変わり今では中国の選手は強くなった。

特に武林風、クンルンファイトの選手は本当に強いと思っている。

クンルンファイトの中国人の選手についてはあまり観る機会が無いが、武林風の選手は強い選手がガンガン日本に来るので試合を観る機会がある。

その中でも 中国の狂虎=ティエ・インホァは強い選手の1人で武林風のスター選手だろう。

以前krushで渡部太基と試合しているが、フィジカルが強く打ち合いをする時も大振りではなく構えた所からコンパクトにフックを打つイメージ…

他の武林風の選手同様に回転蹴りを多用し、つい最近も衝撃のKOを魅せている。

 

 

 

一方の松岡力については強い他団体から来た選手がkrushで試合すると聞いていたが、実際試合を視ると一際ローキックの強い選手だと感じた。

 

 

その後は関西出身、そしてトイプードルクラスタとして注目しているが流石に敵地でのティエ・インホァに勝つのは厳しい。

攻略するとすれば…

武林風の選手はパンチでガンガン前に出てくる。 そのパンチはコンパクトで打ち合いは危険。 サウスポーに構えて懐に飛び込ませず、インローで軸を崩し前に出てくる所にカウンターのテンカオで弱らせ、オーソドックスに戻し得意のローで… あとアクロバティックな蹴りが多いのでガードは常に意識m(_ _)m

…みたいに思っていた。

ただ実際には厳しいだろうし、今回の試合はティエ・インホァがK-1に出る足掛かりになる試合になるだろうと思っていた。

 

1R:10-9(松岡)

ドッシリ構える松岡に様子を伺うティエ・インホァが前蹴りを出し、松岡がクイック左ミドルを出した所から試合が始まる…
相対する二人を視ると明らかにフィジカルで上だと思っていたティエ・インホァより松岡の方が体格が大きく感じる。
ティエ・インホァが踏み込もうとした所に松岡か関節蹴りを出したがこれはローブロー気味。こ~いうのやられると踏み込み辛くなる…
右ミドルで攻める松岡に下がるティエ・インホァ。
そこから松岡の初めて打った右ローがティエ・インホァに入る。
ティエ・インホァはインローを返すが松岡は気にする様子が無く前に出る。
ティエ・インホァの顔面前蹴りをバックステップでかわす松岡。そして松岡の右ハイがティエ・インホァを捉える‼️ティエ・インホァがローが来ると思ったか手を下げて対処しようとした所にモロに入った。明らかにダウンだがこれはダウンにならない。どう見てもダウンだが…
再開後ティエ・インホァはトリッキーな回転系の蹴りを出すが松岡には当たらず。そして松岡の右ロー。ティエ・インホァはカットする様子無し…
松岡の左ジャブ、左ジャブ→右ロー。続いて右ローを打たれると初めてカットする為に足を上げたティエ・インホァだがそこに両手を伸ばし時間差の右ロー。
パンチで前に出るティエ・インホァを松岡は冷静にバックステップで対処。続けてバックハンドブローもかわし、左前蹴りを返す。そこから攻防が始まるが松岡には相手の攻撃に尻込みする様子が見えない。
またしてもバックハンドブローを綺麗にかわし左ジャブ→右ロー、左フック→右ロー。
何だか2発目の右ローは野杁のローみたい。
軸足を横にスライドしながら打つロー…
その後やら組み合いの後打ち合いになるが変則なパンチの連打で松岡が優勢か…
ティエ・インホァがガードを固めても松岡の左ジャブが貫通している様子。
続けて松岡の右ロー2連打。続けて松岡の強引な左フック→右ロー。ティエ・インホァは回転蹴りを出すが松岡は左にサークリングしかわす。その後松岡が強引に前に出て左フック→右ストレートで1R終了…
どう見ても松岡のラウンド。
本来ならダウンありで松岡10-8だがダウンを取られなかったので松岡10-9か…
 
2R:10-9(松岡)
左ジャブから入るティエ・インホァ。ローを出す松岡の距離を潰すティエ・インホァを松岡が振り払う。
その後松岡はガードを固めてローを2発…
ティエ・インホァは覆い被さる様に松岡を抱え込み押し倒す。ローが効いているのか…
再開後パンチを繰り出す松岡に本来打ち合い待ってましたのティエ・インホァは応えない。
その後ややスイッチ気味のティエ・インホァの左ハイが松岡を捉えたかに見えたが当たりが浅いか松岡は微動だにせず、逆に右ローを打ちティエ・インホァはバランスを崩す。
その後もパンチで攻勢に出る松岡にティエ・インホァは応えず、逆にティエ・インホァが打ちに来た所を松岡は距離を潰して組み付き、その状態で右のテンカオ…
ブレイク後に松岡の右ローをティエ・インホァがかわす。互いに見合いの状況から松岡が下から伸ばす左ジャブ。
フリッカージャブみたいな感じがする。これは見辛いだろう…
その後にやや攻防あるも最後に松岡の右ローに若干体が流れるティエ・インホァ…
続いて右ローをカットする為か足を上げるティエ・インホァに左ジャブ。
松岡のセコンドからは「ローまで行こう」の指示が飛ぶ。その後またしてもティエ・インホァの左ハイが当たったかに見えるも松岡は首を傾け受け流したかダメージが見受けられない。
その後、ティエ・インホァの右ストレート、回転蹴りを松岡はかわす。
その後またしても攻防が始まりティエ・インホァが後ろを向いた所に、松岡のパンチが後頭部に入るがこれは審判に止められる。
その後の攻防も松岡の右インローでティエ・インホァがこけるシーンあり、最終印象が良いのは松岡か。
微妙なラウンドだが松岡の10-9だろうか…
 
3R:10-9(松岡)
松岡の左ジャブ、ティエ・インホァの右ミドルからスタート。
次に松岡の逆ワンツー→右ロー2発。
明らかにティエ・インホァは嫌がっている。
その後の松岡の左ジャブ→左フックに組み付くティエ・インホァを崩す松岡。
前進する松岡にティエ・インホァが回転蹴りも後ろに下がりクリーンヒットはしないが、左前蹴りは喰らう。
だがそこから松岡の左ジャブ→右ロー。この右ローが力強い、続けて右ハイもこれは当たりが浅いか…
そこからティエ・インホァが左ジャブから連打を打ってくるも組み付いて距離を潰し、逆に離れ際に松岡が連打。
一旦距離が離れ松岡の左ミドルは当たらずも再度近付いてきた所に右ローが入りそのままティエ・インホァが組み付く。
離れ際に再び連打もこれは当たらず。そこからティエ・インホァがスーパーマンパンチも松岡はかわす。
またしても組み付く展開で松岡の右のテンカオ…ブレイク後も松岡が前に出て右のテンカオ。
セコンドからも「はいナイス‼️」との声が飛ぶ。
再度ブレイク後にティエ・インホァが変則的な二段飛びヒザも打点が低く巧くヒットせず。
組み付きブレイク後に再びティエ・インホァが二段飛びヒザも松岡がパンチを振るう。
ティエ・インホァも返すが後ろを向く形になり松岡が攻めるも後頭部への打撃と判断され止められ注意が入る。
再開後前に出る松岡に組み付くティエ・インホァ。ブレイク後にティエ・インホァの後ろ回し蹴りも松岡は軸をずらしクリーンヒットを貰わず前に詰めて左のテンカオ、これは当たらず。ティエ・インホァはサイドキックも松岡は後ろに下がり当たらず、逆に後ろ回し蹴りもティエ・インホァにも当たらず。
再び攻防が始まるもパワフルなフックを繰り出す松岡が打ち勝ち、組み付くばかりのティエ・インホァ…
松岡はフックの連打後にティエ・インホァの右ハイをかわしながら\(^o^)/のポーズ。
何だろうこれは…
その後も松岡は大振りのフックを振り回しバランスを崩すティエ・インホァ。
再開後ティエ・インホァが右フックを打ち連打に入ろうとするも松岡はショルダータックルの様に距離を潰し連打を許さない。
最後の攻防は互いにクリーンヒット無く試合が終わり両手を上げる松岡。
このRも松岡の10-9だろう…
これで3R終了、個人的には30-27(本来なら30-26)で松岡の完勝だが、判定は29-27。3Rに後頭部への攻めと見なされて減点があったんだろうか…
まぁ流石に二回目なので仕方無い。
松岡力は日本の試合でもダーティにとられる部分があるので今後気を付けたい所。
もし今後拮抗した展開になって反則の減点が原因で敗けたら辛い…
これだけ素晴らしいローキックと攻防の技術のある選手なのだから尚更そう思う。

 

しかしまぁティエ・インホァを破るとは恐れ入った…

武林風の選手は国民性かとにかく気の強い選手が多く、ローキックなんて効かねぇんだよとばかりにカットしないので松岡力のローならどうなるだろうと思いはしていたが…

その他にも木村ミノルと普段練習しているからかティエ・インホァのパンチを全然恐れていない。またパンチの技術についても木村ミノルを彷彿させる部分があった…

そして回転蹴りの対処が見事だった。

相手の虚を突く為の回転蹴りなのにこれだけ対処されたらどうしようもない。

次の試合は大阪K-1になりそうでそこではマッチメイクされないだろうが、階級を上げた野杁と試合すればどうなるか…

野杁にでもあのローは効くのか観てみたい気持ちがあるm(_ _)m