こうしくんとめうしちゃん
珍しくめうしちゃんは
下を向いていました。
するとこうし君はいったのです。
どうしたの。めうしちゃん。
誰も私の事なんて
考えないんだわ。
誰も私の事が見えてないんだわ。
そうなのよ。
とめうしちゃんは言いました。
しかし、こうし君は
僕はしっかり見えてるよ、めうしちゃんが。
と言いました。
それでも
めうしちゃんが怨めしそうに見ると
黙ってしまいました。
もう私はいないかもしれないの。
いいえ、誰かの中に
私は居られないのかもしれないの。
もう会えないんだわ、
だからさよならを言いたかったのに。
と言いました。
するとこうし君
めうしちゃん、
君は誰なの……?
と小さく囁いた。
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