そして言った、
「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう。
主が与え、
主が取られたのだ。
主のみ名はほむべきかな」。
ヨブ記/ 01章 21節
訳名:「口語訳」聖書種類:「旧約聖書」書名:「ヨブ記」
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2023年4月 記
つい先日、義理の姉からのライン電話が鳴った。
一瞬ドキッ。
心臓に、目には見えない何か冷たくて細いものが一瞬だけスッと突き刺さるような感触を受けたような気がした 。これはきっとトラウマの1つなのだろう。
義理の姉は「今日はおばあちゃんの四十九日だよー」と静かに優しく教えてくれた。
そっか、もう四十九日なのか、一ヶ月までは数えていたけれど、クリスチャンである私は仏式の供養の日にちは数えていなかったな。
母が突然、本当に突然に一人でひっそりとこの世を去ったのを発見されたのは、今年2023年ひな祭りの翌日のことだった。
義理の姉からのライン電話を受け取ったのは4日土曜の夜、オーストラリアの自宅でこれからいつものように一緒に聖書を読もうとして、夫と二人隣り合ってソファーにかけていた時のことだった。いつもは一緒にいる16歳の三男はこの日は兄二人と共にクリスチャンリーダー育成のための2泊3日の合宿に参加していたため不在だった。
3月4日、
ほとんど受け取ることのなかった義理の姉からのライン電話の音と振動とサインを、手の中にあった電話で直接に感じ見たのが夜の7時半ころ。
普段はほとんど電話での連絡はしなかった義理の姉と私だったから、その振動と義理の姉からの電話に気づいた私はすぐに悪い予感がした「母に、何かあったのだ」と。
姉は(これからは義理の姉のことは姉とだけ書く。実の姉妹のいない私は普段はお姉さんと読んでいるから)仕事から返ってきてベットの中で冷たくなっている母を発見し、動転している中にも、兄と警察そして私にすぐさま連絡をしてくれたのだった。
あまりに突然で、あまりに遠く離れていて、交わす言葉も見つからずに、母にとって一人娘である私に電話をしてくれたことに「ありがとう」と一言、そして日本とオーストラリアという距離を隔てた中で、今すぐには何もできない自分のことを顧みて、「よろしくお願いします」と一言言ったくらいだった様な記憶しか無い。
「とうとう、本当に、この日がきてしまった」と思いながら、その後数時間、半ば放心状態の中で涙を流しながら複雑に絡まった自分の気持ちを夫につぶやいていた。夫は私のつぶやきを私の隣で、共に静かな涙を流しながら聞いていてくれた。
Cororin