5 赤いリボン
そして次の日。
王と客の元に、小さな靴が片方、兵士によって届けられた。
「城の裏にございます、底無しの沼のほとりに、転がってございました。また、沼の表面に、何かが残っておりましたので拾い上げてみましたところ、黄色いリボンでございました。騎士団長がおっしゃるところによれば、それはマーガレット様のものだとか。ひょっとすると、と思いまして……」
王は客を見た。
客はそれを受けて、何やら意味あ りげにうなずいた。
(――庭で遊んでいる時にでも、誤って落ちたのだろう。わしが手を下すまでもなかったか)
客はそしらぬ顔で、王の後始末を見ながら、そう思った。
――その頃、
魔物や賊が出没するといううわさが、民衆の間に出まわっていた。
また気候の悪い時でもあったし、人々の生活が戦続きで緊張状態にあったから、そんな事件も、ほんの小さな出来事として受け止められ、王や客の思惑通り、人々の記憶からすぐに消えていった。
マーガレットの葬儀はもちろん行われていない。
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王と客の元に、小さな靴が片方、兵士によって届けられた。
「城の裏にございます、底無しの沼のほとりに、転がってございました。また、沼の表面に、何かが残っておりましたので拾い上げてみましたところ、黄色いリボンでございました。騎士団長がおっしゃるところによれば、それはマーガレット様のものだとか。ひょっとすると、と思いまして……」
王は客を見た。
客はそれを受けて、何やら意味あ りげにうなずいた。
(――庭で遊んでいる時にでも、誤って落ちたのだろう。わしが手を下すまでもなかったか)
客はそしらぬ顔で、王の後始末を見ながら、そう思った。
――その頃、
魔物や賊が出没するといううわさが、民衆の間に出まわっていた。
また気候の悪い時でもあったし、人々の生活が戦続きで緊張状態にあったから、そんな事件も、ほんの小さな出来事として受け止められ、王や客の思惑通り、人々の記憶からすぐに消えていった。
マーガレットの葬儀はもちろん行われていない。
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