3 エピローグ
尻尾が真っ赤な炎を噴き出し、火の塊は蒼くなる。丸い発光が浮き上がり、狂狐の周囲を信じられない速さで飛びまわり始めた。
尻尾の一振りで、瓦が一斉になぎ落とされる。残った魔獣の首が、天に向かって吼える。今こそ兄弟の仇を。ようやく、獲物を仕留める時がきたと。
(や……っ!)
最後の無駄なあがきを、やってみようとした瞬間、後ろから誰かが走って来る気配がした。
「ジェルちゃあーん。焼きイモ、焼けたよーっ」
「まあちゃん、来ちゃ駄目!」
それが合図だったのか、巨大な影が彼女らの頭上へと舞い上がった。
「きゃあああーっ!」
黒い影が、彼女達を呑み干した。
体躯の激突する音。岩が飛び散り、校舎の窓ガラスを割る。宙を飛ぶレンガの破片が、校庭に突き刺さる。
狂狐の雄叫び。
そして、いつか土埃も落ちつき、辺りが見えるようになった。
埃の残る空に、太陽の陽が反射している。
「……マチルダ……大丈夫……? 生きてる……?」
自分が生きていることを確認して、彼女は隣で倒れている少女を片手で揺すった。
「ねえ、マチルダ……寝てるの? 起きてる?」
少女はかわいらしい額にしわを寄せて、体を震わせると、眠たそうな目を開けた。
「おはよー」
「魔物、どうなったか分かる?」
「ううん」
「何かした? まあちゃん」
「ううん。なんにも」
「そっか」
「あ。もう起きちゃうの」
「うん。……私、地面で寝るのは好きになれないな」
「もっとお昼寝してよーよお。ここあったかで気持ちいいよー」
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尻尾の一振りで、瓦が一斉になぎ落とされる。残った魔獣の首が、天に向かって吼える。今こそ兄弟の仇を。ようやく、獲物を仕留める時がきたと。
(や……っ!)
最後の無駄なあがきを、やってみようとした瞬間、後ろから誰かが走って来る気配がした。
「ジェルちゃあーん。焼きイモ、焼けたよーっ」
「まあちゃん、来ちゃ駄目!」
それが合図だったのか、巨大な影が彼女らの頭上へと舞い上がった。
「きゃあああーっ!」
黒い影が、彼女達を呑み干した。
体躯の激突する音。岩が飛び散り、校舎の窓ガラスを割る。宙を飛ぶレンガの破片が、校庭に突き刺さる。
狂狐の雄叫び。
そして、いつか土埃も落ちつき、辺りが見えるようになった。
埃の残る空に、太陽の陽が反射している。
「……マチルダ……大丈夫……? 生きてる……?」
自分が生きていることを確認して、彼女は隣で倒れている少女を片手で揺すった。
「ねえ、マチルダ……寝てるの? 起きてる?」
少女はかわいらしい額にしわを寄せて、体を震わせると、眠たそうな目を開けた。
「おはよー」
「魔物、どうなったか分かる?」
「ううん」
「何かした? まあちゃん」
「ううん。なんにも」
「そっか」
「あ。もう起きちゃうの」
「うん。……私、地面で寝るのは好きになれないな」
「もっとお昼寝してよーよお。ここあったかで気持ちいいよー」
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