11 魔法のことば
学院長は子供のようにはしゃいで言った。少女はそんな学院長の呪文を、わずかでも間違えないようにと、何度も口の中で繰り返す。
手の中で生まれた球体は、素直に空に浮き上がった。これだけでも充分に奇跡だが、なおも呪文通り、球体はその場でゆっくりと色を変え始めた。
「そうゆっくり……」
が、途端にはじけた。少女の目が曇った。
「すごいよ、レシングちゃん! がっかりしなくたっていい。そこまで出来ているなら、あれくらいすぐに出来るからね!すごいよ!」
「そんな……すごいの……?」
「そうだよ、すごいんだよ! いいかい、これはお世辞じゃない。君はもう、第三防御系の魔法を、君より年上の人達が習っているのよりも、ずっと難しい魔法を使ってるんだよ! ああ、どういう訳なのかは分からないけど、防御魔法はちゃんと使えるじゃないか! すごいぞ!」
学院長は、レシングを高く持ち上げた。
そしてふと、気がついた。
「あれ、レシングちゃん。君、髪型を変えたんだね」
地上に下ろされて恥ずかしそうに、少女は学院長を見上げた。
「なんだかいつもと違うと思ったら。三つ編みも似合っていたけど、一つにまとめても、よく似合ってるよ。かわいいリボンじゃないか」
それは少女の印象を一変させていた。
幅の広い、ゆったりとした濃い青のリボン。健康的で柔らかな光沢を放つその髪飾りは、実によく今の彼女に似合っていた。
レシングはちょっと、うつむいた。
「どうしたんだい」
「内緒にしておいてくれる?」
「うん。誰にも言わないよ」
学院長の膝に登って、そっと囁いた。
「ほお。男の子にもらったのか」
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手の中で生まれた球体は、素直に空に浮き上がった。これだけでも充分に奇跡だが、なおも呪文通り、球体はその場でゆっくりと色を変え始めた。
「そうゆっくり……」
が、途端にはじけた。少女の目が曇った。
「すごいよ、レシングちゃん! がっかりしなくたっていい。そこまで出来ているなら、あれくらいすぐに出来るからね!すごいよ!」
「そんな……すごいの……?」
「そうだよ、すごいんだよ! いいかい、これはお世辞じゃない。君はもう、第三防御系の魔法を、君より年上の人達が習っているのよりも、ずっと難しい魔法を使ってるんだよ! ああ、どういう訳なのかは分からないけど、防御魔法はちゃんと使えるじゃないか! すごいぞ!」
学院長は、レシングを高く持ち上げた。
そしてふと、気がついた。
「あれ、レシングちゃん。君、髪型を変えたんだね」
地上に下ろされて恥ずかしそうに、少女は学院長を見上げた。
「なんだかいつもと違うと思ったら。三つ編みも似合っていたけど、一つにまとめても、よく似合ってるよ。かわいいリボンじゃないか」
それは少女の印象を一変させていた。
幅の広い、ゆったりとした濃い青のリボン。健康的で柔らかな光沢を放つその髪飾りは、実によく今の彼女に似合っていた。
レシングはちょっと、うつむいた。
「どうしたんだい」
「内緒にしておいてくれる?」
「うん。誰にも言わないよ」
学院長の膝に登って、そっと囁いた。
「ほお。男の子にもらったのか」
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