12 お気楽ジュン君の憂鬱な一日 | 南域結界☆ ジェルソミーナ

12 お気楽ジュン君の憂鬱な一日

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 夕日が傾いていた。
 隊員達は晴れ渡った寒空の下、土砂と岩石に埋もれた広場跡に立っていた。
 十二本あった広場の石柱と、七本あった星型の石柱。
 そんな物も、もうどこにもない。ただ中央にこんもりと盛り上がった丘状の山が、あの台座の名残を残しているだけである。
 崖はほとんどえぐり取られ、古城は瓦礫の山と化し、城壁などはすでに吹き飛ばされ、マイエル砲の爆発が、いかに猛烈であったかを物語っている。
 誰もここが、あのバディンのあった広場だとは気付かない。
全てが岩石に、埋もれてしまった。
 特殊部隊、隊員たちは、まだ固まりきっていない土砂の上に、数歩、足を踏み出した。
「顧問官さま……」
 小さな記録員、チャコリーが思わず呟いた。
 隊員達は黙っていた。夕日が彼らの影を長くしていた。
「結界師さん……」
 誰かがふと、呼びかけた。返事など、返ってくるはずがないのに、何かにすがりつくように。
 隊員達は黙り込んだ。そして、荒れ果てた戦場を見渡した。
「……顧問官さま……結界師さん……」
 誰かが最初に地面の上に、膝をついた。引き寄せられるように数十の隊員達の影が、それに続いた。
「……どうして……」
 どこからか風に混じり、すすり泣きが始まった。
秋の日差しは、どんどん細くなっていく。
冬が近い。
彼らの影をなぞるように、冷たい風が土砂の山を通り過ぎ、流れ去っていった。



   本編 第二話 「もう一人の傍観者」  完

   挿入話 「できそこないのレシング」へ つづく


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