オペラコミック『カルメン』
このオペラは、夢か、現か、幻か。
出演
カルメン 新宮由理さん
ドン・ホセ 横山慎吾さん
エスカミーリョ 月野進さん
ミカエラ&マリ・テレーズ 五東由衣さん
アドルフ・ビゼー 奥田直樹さん
スニガ 斉木テツさん
ジュヌビエーヴ 田中良子さん
ピアノ/ジョルジュ・ビゼー 芦沢真理さん
フルート/フラスキータ 仲間知子さん
パーカッション/メルセデス 朱雀はるなさん
フラメンコバイラオーラ(舞踊手)/マヌエリータ 影山奈緒子さん
ストーリーテラー/
サートーマス・ドッグマン・フェルナンデス・ダマスカス 榊原利彦さん
脚本・脚色 榊原玉記さん
演出 榊原生造さん
お馴染みの前奏曲から始まるはずの「カルメン」ですが、
なんの曲でしょう、ピアノ演奏されます。
講堂
舞台正面、梁に白い布が飾られ
床には衣装箱、カホンが置かれています。
ピアノ前にジョルジュ・ビゼー、
サートーマスが登場します。
サートーマスの問いに、
台詞なしでピアノの演奏で答えるビゼー。
「カルメン」を作曲したビゼーの住む現実の世界に
「カルメン」のお話を織り交ぜて
ストーリーテラーのサートーマスが
登場人物の心の内を代弁したり、
黒子となり、歌唱の説明したり、操ったり、
くっついたり離れたり演じられました。
長台詞を一気に話されグイグイと心にきます。
ビゼー家のお手伝いマリ・テレーズは、
ジョルジュ・ビゼーの子を宿しますが、
ビゼーの父アドルフ・ビゼーは反対で、
マリ・テレーズとビゼーの気持ちも考えず
その子はビゼーの父親の子と決められてしまいます。
オペラ『カルメン』は、
メリメの小説『カルメン』を基に、
アンリ・メイヤックと
リュドヴィク・アレヴィが台本にしたもので
そのリュドヴィク・アレヴィの娘がジュヌビエーヴ。
ビゼーとマリ・テレーズの事は隠されて
ビゼーはジュヌビエーヴと結婚してしまいます。
子がいる事を知らされないのは不誠実です。
嘘はばれてしまうものです。
ビゼー父子は2人の女性
マリ・テレーズとジュヌビエーヴを不幸にしてしまいました。
現実の悲劇と空想の悲劇「カルメン」が展開していきました。
2階席への階段
サートーマスの台詞
「人生はいくつもの悲劇が重なった喜劇」が繰り返されました。
音楽・歌の間を台詞でつないだのをオペラコミック。
約2時間にまとめた榊原玉記さんの脚本。
悲劇ですが、面白かったです。
プログラムには台詞が載っていますので
読んで振り返り、
理解できなかった事も分かりました。
今年初めの「カルメン」のハイライト演奏会では、
歌も台詞も日本語だったので、
どうなるのだろうと前日になって考えていましたが、
台詞は日本語、歌唱はフランス語でお話は進みました。
カルメン役の新宮さんを初めてお聴きしたのが、
2011年の「仮面舞踏会」
ウルリカという占い師役でした。
その時、横山さんは合唱指導。
その後すぐに、フラメンコとクラシックとのコラボがあり、
新宮さんと横山さんが出られました。
多分、その演奏会に行ったのは、
私の知る横山さんファン4人と今井さんファン1人( ´艸`)
その時のフラメンコダンサーのお1人が影山さんでした。
今回影山さんのフラメンコは
カルメンのジプシー出身の雰囲気を
醸し出すのに効果的だったと思いました。
そして3年ほど前に、
偶然ある演奏会で新宮さんをお見かけしてから、
少しづつ演奏会に伺わせて頂いています。
新宮さんのカルメンはハイライトも合わせると今回で4回目。
月野さんは、2010年「イル・トロヴァトーレ」が初めてで、
再び2014年11月「トスカ」
スカルピア役の時に行かせて頂いています。
つい先日、
4月23日藤原歌劇団「愛の妙薬」に出られたばかりです。
横山さんも出演された「イル・トロヴァトーレ」。
その時が私の初めてのオペラ観劇。
オペラの世界を知るきっかけを与えて頂きました。
横山さんに感謝しています。
Kちゃんにお願いして写真頂きました


カルメンは奔放な恋する女性。
闘牛士のエスカミーリョは華やかで
ホセは一途な青年。
清純で優しいミカエラにしときなさいと思うけれど、
カルメンに惹かれるのもよ~くわかる。
カルメンを知ったのが身の破滅。
殺害後にカルメンを抱き寄せるホセ。
カルメンとホセ、エスカミーリョの
アリア・重唱は聴きごたえがありました。
私はお芝居は見ないのですが、
初めての斉木さん、奥田さん、
田中さん、五東さんの演技に引き込まれました。
五東さんのアリアも素晴らしい演奏でした。
ビゼーは、マリーテレーズに毒殺されてしまいました。
世間の体裁を考えてか
妻や父は病死扱いにしてしまいました。
事実、『カルメン』初演約3ヵ月後に敗血症で
1875年、36歳7ヶ月の若さで亡くなったのだそう。
初演は不評であったけれど、
141年経て今回のような形で上演されるという事。
素晴らしいですね。
楽器演奏家にも役があり、
出ずっぱりの芦沢真理さんのピアノ演奏。
朱雀はるなさんのカホンの不思議な魅力、
フルートの仲間知子さんも素敵でした。
横浜市開港記念会館HPの 歴史 ジャックの塔ご参考に☆
昨年ティアラ江東での「カルメン」を見にいらした榊原さんに
新宮さんが持ち掛けて実現されたオペラコミックだそうです。
再演される事を期待しています
