所用あって
近所の郵便局に行った。
先客の車が停まっていた。
が、店内にはお客さんは私一人だった。
郵便料金を支払っていると
入口に人の気配があって
見るともなしにみると
昔のママ友だった。
十年以上も前
ある時つまらない事で喧嘩して
久しぶりの再会だった。
狭い田舎のこと。
夫を亡くしたことは
知れ渡っている。
夫は突然死で
家族葬で送ったのだけど
どうやらどういう訳か
連絡網が回っていたらしく
聞きつけて、駆けつけてくださった方もいた。
突然のお別れを
ご一緒してくださった方には
感謝しかない。
今日会った彼女は
開口一番
言い訳だった。
こう言う理由で
葬儀には行けなかった…と。
そもそも家族葬だし
わざわざ足を運んでいただいた方には
感謝しかないのですが
来られなかったことについては
そのこと自体が
どうこうと言うことではないのだけど
なにせ田舎なので…
まあまあ色々あるわけで
私は感謝を伝えた。
今となっては
葬儀に来てくれたとか
来られなかったとか
私としては
そこは、いい。
気にかけてくれていた事実。
夫が生前
どんな形であれ
出会ってくださっていたことに
お世話になりました、と
お礼を言いたかった。
そして、言えた
ひたすら謝られたことに感しては
いいのよ、と
言った。
気まずかったんだろうな…とは
思うけれど…
あまりにも謝れるので
区切りをつけたかった。
そこからが、長かった…
かれこれ30分ほど…
私が立ち上がらなければ
もっと…
田舎の郵便局の椅子に座り、
ごめんなさいねー
と、大きな声で
久しぶりの井戸端会議…
いつか、あったな…
こんな、時間
田舎の噂、あれやこれや…
最近、私の周りでは
すっかりなくなっていた習慣だった
噂、怖いよぉ…
もう、立ち直ったよね?と念を押された時には
何と答えれば良いかわからなくて…
だって全然立ち直ってなどいないっ
どんな根拠で、今日の日の噂話も
その人目線で広がっていくのか…
その怖さ…
忘れすぎていて
これが世の中の現実よね…
と、いかに自分を安全なところに
自分自身でかくまっていたのかと
思い知ったのだった。
かくまうことだって、
それが必要だったからなんだけど。
そしてこう言うのがやっとだった。
その立場にならないとわからないと思う…
今日のこの偶然のような
必然のような
過去の
あまり会いたくなかった人との出会いも
仕組まれていることなのかもしれない…
と、思った。
そろそろ
世の中に出ていきなさいとの、
天からの声なのかな…
怖いヨォ…
また家に遊びに行くね!
と言われた時、
おいでよ!
と、気持ちよく言えなかった…
まだまだ、そんな段階よ
今日は属性にまみれたな
な〜んか、胸が
シクシクする…