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開場についた時、長尾さんと打ち合わせをした。

「普通の試合開始みたいに入場曲流れるんで、赤コーナーから入場してください。挨拶の後、記念品贈呈でテンカウントゴングです」

「記念品と挨拶の順番を入れ替えてもらえますか?サヨナラの挨拶してからテンカウントゴングを聞きたいので」

「でも記念品見たら泣いちゃうかもしれませんよ」

「我慢します!」

こんな会話があった。


入場曲が鳴った。

berry15、入場!


五年前のちょうどこの頃、私は頭に大怪我をしてリングに立つことをあきらめました。そして全女の後楽園ホール大会で退団する挨拶をさせてもらいました。デビューさえできなかったからファンもいなくて、挨拶の予定はなかったんですけど、先輩が「頑張ったんだから挨拶ぐらいさせてあげなよ」ってコーチに言ってくれてマイクを持たせてもらいました。
五年前の私は「大丈夫です!プロレス忘れて幸せになります」って無理して言ったおぼろげな記憶がある。

そんな事を入場の時に思い出した。五年後に、実績は残せなかったけれど、こうして引退式をやってもらえる選手になれたんだなぁ。


マイク。そしてテンカウントゴング。

絶対10回数えようと思ったのに、泣いてたら途中でわかんなくなった。

「1、2、3……あれ?5?6だっけ?あぁ、11回鳴らされてもわかんないよ」

最高のクライマックスで何をしとんねん。と自分ツッコミ。合同練習のみんながでっかい声で叫んでくれててうれしかった。



ぶわぁ~と紙テープ



そっか、これに包まれるのにも憧れていたな……。