ここまでシモンが話した時、
ごおおおぉぉという凄まじい地鳴りのような
響きが起こった。
エレノアの腕の中でマムが、
いびきをかき始めたのだった。
エレノアが起こそうとすると、
シモンが止めた。
「フワサにとっちゃ退屈だったんだろうよ。
それにここからは、
そいつにとって嫌な展開だぜ。」
そしてシモンは大あくびをした。
「オレも疲れたよ。
お前らを助ける為に魔力を使い過ぎちまったよ。
とりあえずここまでだな。」
そう言った途端、シモンは目を閉じて壁にもたれかかった。
彼の頭のてっぺんに、シャロンは止まった。
「えぇ、待ってよ!」
何故助けられたか、
それが一番知りたかったエレノアは
シモンに話を続けて欲しかった。
しかし時すでに遅く、
シモンは寝息を立て始めてしまった。
二度も寝てしまったので、
エレノアは眠気が無かった。
それにしても、どうしてマムは
こうも何度でも寝られるのかしらと
呆れていた。
洞窟の外を見ると、
枯れた11月の木々が広がっていた。
ネプルトゥには眠りの冬が訪れようとしていたのだった。
ふとエレノアは、
迷惑をかけてしまったフローズは
どうしたのかしらと思い出した。
それで杖に彼女の名を呼び掛けた。
しかし先端部の玉には何も映らず、
フローズの返事も聞こえなかった。