「えーと、どこに隠せばいい?」
エレノアは自分の夢から現れた仔羊を、
なんとしてもベリエールから守りたかった。
彼は相手が子供であろうと自分に仇なすならば、
決して容赦などしない。
しかしフローズに相談したところで、
どうにもならないのは分かっていた。
「ベリエール様はきっと、どこに隠れていようと
見つけ出すでしょうね。」
「そんなぁ、どうすればいいの?」
夢の中で知らない内に生み出した魔物だとはいえ、
仔羊はロバーツ牧師との愛の結晶なのだ。
エレノアはベリエールによって、
ロバーツ牧師とのありふれた日常を奪われたのだ。
せめてロバ-ツ牧師の子___
彼とエレノアをつなぐものは守りたい。
今腕の中で抱いているように。
輝く毛皮の羊の魔物は、
無垢な瞳でエレノアとフローズの顔を交互に見ていた。
仔羊に嫉妬の目を向けているマムはというと、
フローズの使い魔である蜘蛛のアシュレイが、
糸でがんじがらめにして抑えつけていた。
ベリエールより先に手を出しそうだったからだった。