Eleonore第七話 | Eleonore

Eleonore

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レアリム村に寄進する者は、今や少ない。

エレノアとロバーツ牧師の食事は、具の少ないスープと固いパンのみである。

「さあ、今日も感謝の祈りを。」

夕食のたびにロバーツ牧師は神に、

エレノアはロバーツ牧師に生きていることへの感謝の祈りをささげる。

しかし今日のエレノアの祈りは、ロバーツ牧師への懺悔でもあった。

彼女はロバーツ牧師が貧しくて蔑まれていることを知っていたし、

それにも関らずに自身を養ってくれていることも分かっていた。

しかし彼女は森の木の実をロバーツ牧師ではなく、

怪我をした会ったばかりの動物に恵んでやったのだ。

それも単なる同情心からである。


「エレノア、食欲がないのですか?」

ロバーツ牧師に言われて、エレノアはずいぶん長い間手を組んでいたことに気付いた。

彼に無駄な心配をかけてしまったと感じ、

エレノアはスプーンで薄味のスープをすくい、口に運んだ。

既に慣れた味の為、うまいもまずいも感じなかった。

牧師様もこうして不快感もなくしてしまったのかしら、

とエレノアは感じた。

「すみませんね。私が不甲斐ないばかりに、

 貴方にも苦労をさせてしまって。」

「いいえ、そんなことないです。

 牧師様のおかげで、今の私がいますから!

 むしろ私の方が申し訳ないくらいです!」

「そうですか。それならこれからも私と共に、

 ここで神に身を捧げてくれますか?」

「勿論です!」

牧師様と一緒にいられるなら、どんなこともしてみせる。

エレノアは胸にそう誓った。


エレノアが一日の中で一番好きなのは、夜眠る時間である。

一日の全てが終わる安息の時であり、

何よりロバーツ牧師がお休みのキスをくれるからである。

今夜もまた、ロバーツ牧師が蝋燭を片手に、彼女の枕元にいた。

「エレノア、今日はなんだか疲れてますね。

 何かありましたか?」

「なんでもありません。ただ...。」


マムは今夜、住み慣れたであろうねぐらではなく、

あの暗く寒い薪置き場で過ごしている。

お古の衣服を何枚か掛けてやったが、あれで寒さをしのげるのだろうか、

住処へ帰れなくて、寂しくないのだろうか、

などとエレノアは考えていたが、そんなことを口には出せなかった。

「ただ...何か心配ごとでも?」

「えっと、動物って、布団はどうするのか気になったんです。」

「あぁ、大丈夫ですよ。彼らは私たちのように布団をかぶらなくても、

 毛皮があります。

 私たちは煩わしいから頭髪さえ切ってしまいますが、

 彼らは寒くてもいいように生やしたままにしていますからね。」

ではマムは、いつも服を着ているようなものなのか。

あんな寒々しい色の毛でも温かいのかしらとエレノアは思った。


「心配せずとも、神はあらゆる生き物に

 生きる為の物を与えてくださっています。

 私たち人間もこの物をつかめる手のように。」

ロバーツ牧師はエレノアの前髪をかきあげ、額に優しく柔らかいキスを落とした。

エレノアはその感触の余韻に浸りながら、ロバーツ牧師が「おやすみなさい」と言うのを聞いた。