赤ちゃんがほしいと思っていたり、実際に赤ちゃんがおなかにいたり、そして赤ちゃんを産んだり。
新しい命の誕生がどれほど奇跡的で、すばらしいものであるかを、私であったり、これを読んでくださってる方がみなさん実感されていることと思います。
昨日今日で、改めて命について考えさせられる事件がありました。
命の重さについて。
私の手の中にすっぽりとおさまる、ちいさなちいさな命。
とっても温かく、一生懸命お母さんを探して鳴いています。
この子たちは昨日私の職場の近くに捨てられていました。
この子猫たちを偶然見つけた職員さんと一緒に現場に行って、保護してきました。
箱に入っているわけでもなく、あまり人の通らない道端の脇の草むらに無造作に捨てられていたのです。
事務所に連れて帰って、少しずつ口へミルクを運んでやりました。まだお皿から飲めるような子たちではなく、指にミルクをつけて口元に持っていくと、お母さんのおっぱいだと思って吸いつきます。
座布団とタオルをひいたダンボールの中に入れてやると、おなかがよくなって安心したのか、すやすやと眠ってしまいました。
私のことをお母さんだと思って(私の手を)一生懸命吸いついてくる小さな命に、涙が出るくらい愛おしく、子どもの頃にただ抱いた「子猫、かわいい」とはまた違った感情でした。
私の他はみんな男性職員で、その反応はさまざまでした。
この子猫を見つけた方は、さっそくミルクを買ってきてくださり、もう一人は子猫たちの寝床を座布団やらで作ってくださり、子猫に対しての愛情をとても感じました。
また別の人は猫が嫌いだといって、いやそうな目でチラッと見たっきり、ぜんぜん見向きもしませんでした。
他に「うちには犬がいるから・・・」と肯定も否定もしない人。
それから、私が一番傷ついたのは子猫たちに対して意地悪をした人でした。(←Kさんとします)
Kさんはまだほんとに小さい子猫たちに、丸めた新聞をぶつけたり、ひどい扱いでつかんだり、
「ノミがうつる。もうかゆくなってきた。」
「こんなもんは情が移らないうちに早く捨ててしまえ」
「裏の池に捨てる。魚のえさになるでしょ。」
などなどびっくりするようなひどいことを散々言うので、本気で嫌いになりました。(今まで結構いい人かと思っていたんだけど)
でも、そんなことを言いながらも、昨日夜、子猫が心配になって事務所にミルクをあげに行ったのもKさんでした。
今朝それを聞いた時に、ほんとはKさんはいい人で、昨日あんなことしたり言ったりしたのは照れ隠しだったのかなあなんて思ってみたりもしました。
でも、やっぱりKさんは「今週末には3連休もあるし、こんな風に誰かが毎日世話をしなくてはいけないけど、無理でしょ。情が移らないうちに、早く処分しないと。」って朝からそんな調子で、すっごく腹が立っていました。Kさんの言うことは間違ってはいないのかもしれないけど、子猫たちを「命」としてみているのか、軽々しく「処分」なんて言ってほしくなかった。
私も主人に相談したけど、うちには犬がいる上に、おなかに赤ちゃんがいるかもしれないから、ダメだって言われました。子猫を見つけてきた人も、2ヶ月の赤ちゃんがいて、奥さんに相談したけどダメだったとのこと。もう一人の寝床を作ってくれた人は寮だから無理だとのことで・・・・
結局誰も飼えないってことになりました。私は友達に「猫を飼ってもらえないかな?」のメールをしましたが、なかなか・・・・ 友達も赤ちゃんがいたり、アパートだから飼えなかったり。
それで結局お昼から、寝床を作ってくれた人と、なぜかKさんとで県の運営する「動物愛護センター」に連れて行くということになりました。
里親探しもやっているとホームページに載っているし、だれかいい人に飼ってもらうんだよと祈るしかできませんでした。
子猫たちが出た後から、ネットで詳しく検索していくと、「動物愛護センター」の「愛護」とは名ばかり(?)で、実態は結局以前だったら各市町村の保健所で行っていた「不要動物の引き取りおよび処分」を一ヶ所で行っているところだってことがわかりました。
里親を探してくれる、「譲渡会」というのも毎週日曜日にあって、たくさんの犬たちの中から選ばれた健康な子犬はその譲渡会で新しい飼い主さんにめぐり合うことができるようだけど、そうでない成犬であったり、猫においては子猫も成猫も関係なくほとんど処分されるということでした。猫は子猫であってもなかなか引き取り手がいないとの理由で。90%以上が「殺処分」されるということです。全国でその数は年間80万匹以上。
子猫では即日処分されるケースが多いとの記事も目に入り、さっきまで私の手をお母さんのおっぱいだと思って吸っていたあの子たちが、数時間後には殺されるんだと思うと、気がくるいそうになりました。Sさんに腹を立てたけど、自分も結局飼ってやれず、自分も結局は偽善者なんじゃないかと自分を責めました。
やっぱり自分で引き取ればよかったと泣きそうになっていたそのときに、友達からメールがきました。
「友達の友達が飼ってもいいって言ってくれてる」って。
もう愛護センターに引き渡した後だったのですが、その友達の友達が急いで愛護センターに電話してくれて、なんとか間に合いました。
そして、そのやさしい友達の友達が愛護センターに引き取りに行ったら、
「届け出したのがO市で(←持って行った寝床を作ってくれた人の住所)、引き取るのがK市(←引き取ってくれるというやさしい子の住所。O市の隣の市)なので、本当は引き渡すことができないのですが、飼い主で発見したってことにすれば有料で引き渡すことができる。」
って言われたらしくて、その子はお金を払ってその子猫たちを2匹引き取ってくれたのです。
捨てる、殺すにはお金がいらなくて、飼ってくれるっていうやさしい人からお金を取るなんて、ひどすぎませんか!?
悲しみも怒りもこえて、あきれます。
そもそも、この子猫たちを捨てた人間が悪い。
どうしてその飼っている親猫に避妊手術を受けさせてなかったのか。
命を何だと思っているのでしょう。
人間の赤ちゃんが捨てたら、殺したら、それは大変な罪になるのに、
猫の赤ちゃんだったら、捨てても、殺しても、許されているこの現状。
保健所や動物愛護センターで日常的に繰り返される「殺処分」
犬はそのまま、猫は麻袋にまとめられて、大きな檻に入れられて、ベルトコンベアーでまず炭酸ガス(二酸化炭素)の部屋に送られます。そこで酸素がなくなって、息ができなくなって、苦しみながら死んでいくのです。その時間は決まっていて(10分から15分)、まだ生きている子もいる可能性があろうがなかろうが(子猫だと1時間くらい生きていることもあるらしいのに)、そのままベルトコンベアーで高温の焼却炉に落とされて焼かれるらしいのです。安楽死ではありません。
「うちの猫が子ども産んじゃって、こんなに飼えないから」
「奥さんが妊娠したから」
「引っ越すから」
「大きくなりすぎて世話ができないから」
「鳴き声がうるさくて近所から苦情がきたから」
「子どもがほしがったので飼ったが、まったく世話をしないから」
「老犬になったので、死ぬところを見たくないから」
「親猫が子どもを生んで、その子を飼うから親猫はもういらない」
などなど、ほんとうに人間の勝手な都合で動物たちはここに連れてこられ、そしてまるでゴミのように処分されているのです。
ほんとにいいかげんな気持ちで生き物を飼わないでほしい。
動物はみんな生きています。
感情もある、大切な命なのです。
そして、もし、よくよく考えて、それでも動物を飼いたいと思うのであれば、ペットショップで買うのではなく、ぜひ、「動物愛護センター」で殺処分される犬たちを、猫たちを、1匹でもいいから救い出してあげてほしいです。ほんとに動物が大好きなら、血統書なんて関係ないはず。
各都道府県には必ずといっていいほど「動物愛護センター」があり、里親を探しています。
まだまだそういう「譲渡会」なるものがあったりすることも宣伝不足からか知らない人が多いけど、こういったものがあなたの近くでも必ずあると思うので、ペットが飼いたいという人がいたら、ぜひ教えてあげてください。
もっともっと広まれば、もっともっと救われる命があるはずです。
私は拾ってきたり、もらってきた犬しか飼ったことはありません。
ミックス犬です。
でもみんなかしこいし、なによりほんとうにかわいいです。
血統書付の犬を否定するわけじゃないけど、10万も20万も出して買ってくるくらいなら、病気にも強い、おりこうなミックス犬を命を助けたと思って飼ってほしい。
みんながもっと命を大切にする社会になって、これ以上かわいそうな動物たちが増えないように、いつかはゼロになりますように。
動物を大切にしない社会があるから、人間が人間を大切にできなくなってるんじゃないかな。
命の重さははかれないと思う。
人間だって、動物だって、みんなあたたかい。
それは生きてるってことなんだよ、って子どもたちに伝えたい。
命の大切さって、そういうことだと思う。
