野村証券で相次ぐ不祥事 問われる組織風土の見直し
野村証券に勤めていた社員が強盗殺人未遂と放火の罪で起訴された事件を受けて会社は3日、会見を開き、奥田健太郎社長は役員報酬を自主返上する一方、辞任はしない考えを明らかにしました。
証券最大手で続く不祥事に金融そのものへの信頼も揺らぎかねない事態で、二度と事件を起こさない体制づくりだけでなく組織風土をどう見直すのかも厳しく問われそうです。
野村証券では営業職だった社員が広島市の顧客への強盗殺人未遂と放火の罪で11月、起訴され、会社はこの事件を把握してからおよそ4か月たった3日、初めて会見をしました。

この中で奥田社長は謝罪するとともに、責任を明確化するとしてみずからを含む経営幹部10人の役員報酬を自主返上することを明らかにしましたが「辞任は考えていない」と述べ、社長にとどまって再発防止に取り組む考えを示しました。
会社は、今回事件を起こした社員が休日に顧客を訪問する際に必要とされている事前申請をしておらず社内ルールに反していたことから、今後は貸与している携帯電話のデータなどで不審な営業をしていないかをチェックするほか、人事評価や採用基準の見直しなど11項目の対策を講じるとしています。
一方、3日の会見で奥田社長は組織風土に問題がなかったか問われたのに対し「真摯に受け止めます」と述べるにとどまりました。
広島での事件以外にも実刑判決を受けた事件や国債の先物取引での不正な価格操作など不祥事が相次ぎ、会社にとどまらず金融そのものへの信頼も揺らぎかねない事態になっています。
野村は今後、二度と事件を起こさない体制づくりだけでなく、組織の風土をどう見直すのかも厳しく問われそうです。