母の詩

 

 

 

 

 


いろんな人生あるんだと

 


母は 教えてくれました

 


愚痴もこぼさず 涙も見せず

 


貧乏暮らしにゃ 負けないけれど

 


孫が生まれた その裏側じゃ

 


母は 一人で泣いていた

 

 

 


 

 

 

いろんな人に逢いました

 


人世の情けを知りました

 


雨に風に耐えながら

 


見えぬ その目の悲しさの

 


小さな体その手のひらで

 


私を 支えてくれました

 

 

 

 

連続小説『たかおさんの秘密』

孝夫さんが母に贈った詩です