先日、日本橋高島屋で開催されている「ザ・ファミリー・オブ・マン写真展」へ行ってきました。ちょうどテレビ東京の「新 美の巨人たち」で紹介されたこともあり、また、会期終盤ということもあってか、平日の10時半だというのに、チケット売り場には50人ほどの行列ができていました。シニア世代を中心に、かなりの盛況ぶりが伺えました。

 

写真を見ながら改めて感じたのは、写真とは、その一瞬を切り取るものなのだということでした。

 

幸せな瞬間は、その幸せがダイレクトに伝わってくる一方で、決して幸せとは言えない時代や状況の中で撮られた写真からも、その瞬間の空気がこちらに直接伝わってくるのです。

 

特に印象に残った一枚は、戦争で破壊された建物が見える中、ひとりの男の子が階段を下りていく。その後ろ姿。

学校へ向かうところだったのでしょうか。

周囲には戦争の傷跡が残っている。それでも男の子は階段を下りて、自分の日常へ向かっていく。その後ろ姿が、なんとも言えず心に残りました。

 

 

そして、もう一つ印象に残ったのが、さまざまな家族の肖像写真。

 

image

国も違う。

暮らしも違う。

家族のかたちも違う。

 

写真の中では、家族はある一瞬の姿のまま、そこにいる。

 

でもその写真を見ながら考えたのは、

このあと、この人たちはそれぞれ、どんな人生を送ったのだろう。

子どもたちはどんな大人になったのだろう。

家族にはどんな出来事があり、どんな喜びがあり、どんな別れがあったのだろう。

 

写真には「その後」は写っていません。

だからこそ、一枚の写真の向こう側にある長い時間に想像を巡らせます。

 

 

1950年代に撮られた、世界のどこかの、名前も知らない人たち。

ほんの一瞬を切り取った写真が、70年以上の時間を越えて、今日、日本橋でそれを見る私に何かを伝えてくる。

 

写真って、やっぱりいい。

 

もともと写真を見るのが好きだけれど、今日は改めてそう思いました。

 

きっと何日か経っても、あの階段を下りていく男の子の後ろ姿を、ふと思い出すような気がします。