まだ社会人になって間もないころ、京橋にあるフレンチレストランの前を通るたびに、「素敵なお店。いつかこういうところに食べに行ってみたい」と憧れていたお店がありました。シェフがお客様と談笑する姿を外からちらっと拝見するたびに、まだ若かった私には敷居が高く、なかなか足を踏み入れることが出来ずにいました。

そして先日初めて行く機会に恵まれて、念願叶い、ランチにお邪魔してきました。

 

行こうと思えば、いつでも行けたのに、なかなかその機会が訪れずにいたのと、一緒に行った妹も実はずっと行きたいと思っていたとのことで、妹に予約してもらった時からとても楽しみにしていました。こちら Chez Inno。

 

 

 

移り変わりの早い現代において、守っていく味、受け継いでいくお店というのは、とても貴重な存在だと思わされる、クラシックで、でも居心地が良くて、懐かしい雰囲気のお店。

 

この日はコース料理をお願いして、メイン料理にはスペシャリテの「仔羊のパイ包焼き マリア・カラス風」に変更しました。妹は最初はシャンパンを、私はノンアルコールのシャンパン風で乾杯♪

 

 

そしてコースがスタート。

 

オマール海老のガトー仕立て“コート・ドール”風

 

モザイクのように美しい断面のこちら。色々なソースが添えて有り、それぞれ好みに合わせて色々な味を楽しみました。お料理に合わせて、妹はおすすめの白のグラスワイン、私は白ワイン風ノンアルコール。

 

お魚料理は、この日は3種類のお魚から選べるということで、調理法やどんなお料理かを伺って、私は舌平目にしました。舌平目は、普通薄いものを想像しますが、こちらは身厚でフワフワ。

 

 

 

素敵な店内の雰囲気、見て美しく、食して美味しいお料理。ユーモアを交えたサービス。

 

 

そして、こちらが仔羊のパイ包焼き マリア・カラス風

 

 

お店の方から、写真を撮る時はこのままで、食べる時には手前に倒してからナイフを入れるのがおすすめとのこと。妹も私も、念願だったこちらをひと口いただいた瞬間、目が丸くなり、あまりの美味しさに言葉を失いました(笑)。

外のパイ生地と仔羊とソースのマリアージュ。思わず、マリアージュという言葉を使いたくなるほど、そしてスペシャリテとして長年多くのお客様に愛されてきた一品であることが分かり過ぎるほど、それはそれは美味でした。。。

美味しすぎる(笑)。妹は赤のグラスワインを、私はノンアルコールの赤。

 

妹の白、赤を飲ませてもらいましたが、そちらも素晴らしいセレクトで、ワインのことなど分からない私でも、その美味しさがよく分かりました。お酒が強ければ、もっとワインも楽しめるのに。。。

 

最後は珈琲、紅茶、ハーブティーの中から1種類と、ワゴンデザート。ワゴンでデザートが運ばれてきて、食事を終えたテーブルを回っている様子を見て、妹と、どうする?悩むね、と話していたら、妹が「全部でしょ」というので、私も便乗して、全部お願いしました(笑)。

 

 

フレジェ、タルトタタン、バスクチーズケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ、金柑。どれも美味しくて甲乙つけがたかい程に完成度が高いスイーツでした。

 

休日に、ランチをゆっくりといただく贅沢。心まで豊かになったようでした。そして、天井が高く、居心地がよく、クラシックで、でも硬すぎず、程よい距離感。

そして美味しいフレンチ。。。物を買うよりも、ずっとずっと、心が豊かになる時間を過ごせて、とても幸せでした。またぜひ再訪したい素敵なお店です。