小川糸
2010年ポプラ社
ちょっと前に映画やってて、
見に行きたかったんだけど行けなくて、
だから本を読みました。
優しい気持ちになれる本でした。
話は、
インド人の彼氏と同棲して幸せな生活を送っていたのに、
ある日突然、帰宅したら家の中がからっぽになっていた。
家財道具も、結婚資金として二人で貯めていたお金も、インド人の彼氏も、何もかもなくなっていた。
彼女は、山間の実家に帰り、そこで食堂を開くことにした。
ショックのあまり声を出すことができなくなっていたため、会話はすべて筆談で行なう。
お客さんは一日に一組だけ。
事前に面談を行い、その人が食べたいもの、その人の性格や趣味なんかを考慮してメニューを考える。
その人だけのための料理を作る。
そんなお話です。
最後はちょっとほろりときます。
ちなみに映画の公式サイトは⇒http://katatsumuri-movie.jp/
まず、料理の描写がすごいです。
文字だけなのに、すごくおいしそうな料理を感じることができるんです。
見た目やにおい、味の描写がとても細かくて具体的で、リアルに伝わってくる。
一つ一つの献立の、メニューが豊富で色彩豊かなことといったら。
豚を一頭しめて丸ごと料理する場面があるんですが、
わたし的にはそこが一番圧巻でした。
ロース、バラ、モモ、耳、腕、内臓・・・
豚一頭を余さず使って、
それぞれの部位を本当に多様な料理に変えていくんです。
そして、主人公の倫子の、食材や料理に対する愛情。
食材ひとつひとつをとっても大切にして
とびきりおいしい料理にしてあげようっていう愛情に溢れています。
あぁこういうの良いなぁ、って感じました。
最近のわたしの料理は、食べられれば良いやって感じだったから笑
母や祖母の料理を思い出して、懐かしくなりました。
こんな本もあるようです。
『食堂かたつむりの料理』
あとは、ストーリー。
インド人の彼氏への切ない思いや
倫子のお母さんとの関係が 中心に描かれています。
どっちも切なくて。
でも、読んでて もう全面的に「切ないよ~!」っていう気持ちになる文章ではないんです。
悲しさや切なさと、愛情とか優しさが 同じくらいの量やってくる感じ。
読み終わっての印象としては、
なんだか軽やかで、すっきりして、
心があたたかかくなって、
でもなんだか悲しい。
そんな感じです。
最近読んでいた本が、
ゼミのための本(テロのこととか、イスラム過激派のこととか笑)や
実用書(「文章の書き方」とか「分かりやすい話し方」とか)
ばかりだったので、
久しぶりに小説を読めて嬉しかったです。
たまには必要ですね。
今度は何読もうかな。
