映画「ラブリーボーン」
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いたたまれないほど悲しい話でした。感動を呼ぶというより、啓発の映画なのではないでしょうか。
【以下、ネタバレがあります】
原作は読んでいないが、なんとなくストーリーは知っていた。
おそらく米国では性犯罪件数は日本よりも相当多いのだと思う。その被害家族に向けた哀悼のようでもあるし、社会問題の啓発という側面もあるのかもしれない。
被害家族の苦しみは描かれているが、驚くほど犯人への憎しみの感情が描かれていない(父親が報復に向かうシーンはあったものの)。この映画が、犯人への憎しみを持っても自分たちのためにならない、と諭しているのであろうか。幼くして亡くした子どもが、このように天国で自分たちを見てくれている、そして天国では同じような境遇の子どもたちとともに、楽しく暮らしている、と伝えている。その表現は被害者への慰めであるが、被害家族の気持ちを察するに、ほんとうに悲しくなる。
犯人は逮捕されるのかと思いきや、警察の捜査が自宅にまで及んでいるのに、逃げて捕まえられない。米国では多くの性犯罪者に捜査が間に合わないのが現状なのだろうか。犯人はあるとき、間抜けな死に方をする。でも間抜けな死に方をしても彼にバチがあたったとは到底思えない。因果応報であれば、もっとむごい死に方をしてもよかったのだ。しかしそれはこの作品の目指すところではないのかもしれない。
全然話は変わるが、天国の世界を描いた映画に、丹波哲郎の「大霊界」というのがあった。テーマや天国を描く必然性は全く違うものの、表現は何か近いものを感じた。天国の感じ方は洋の東西を問わないのだろうか。