映画「空気人形」
公式サイト
http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
これは素晴らしいファンタジー映画!心を持った人形のピュアさに観ている者も心を打たれます。
ラブドールを扱った作品は以前にもありました(「ラースと、その彼女」)。優しさが表現されているのは共通していますが、もちろん手法やテイストは全く異なります。
作品全体に哀しみが満たされています。心を持ってしまった人形の哀しさと人間世界の哀しさ。ネタバレになりますが、心を持った人形が、人形である証の体にある線をデパートの化粧部員さんに消してもらい、うれしそうにニッコリ微笑むシーンに、思わず涙が出てしまいました。
表現は全体的にほんわかしていますが、その反面すごく生々しいシーンもあります。あえてそのような刺激的な情景を入れたのだろうな、と思います。特に、ARATA演じるレンタルDVD店員との展開は意外な結末になり「えー…」。同じ是枝監督の「誰も知らない」の終盤をほうふつとさせます。でもラストはうまくまとめてくれました。
なんといっても、主演のペ・ドゥナの演技が素晴らしい。表情や動きが人形そのもの。そしてたどたどしい日本語も役にぴったりです。
若干、表現が男目線で描かれているんじゃないか、と思われるシーンもありました。女性にとっては目を背けたくなるかもしれませんし、嫌悪感を覚える方もいるかもしれません。いろんな意味で、大人向けの作品と言えると思います。いくつかのテーマが深く、しっかりと主張されているのを感じました。観終わったあと、すごく余韻が残る作品でした。