映画「スラムドック$ミリオネア」 | コルネットのうだうだ

映画「スラムドック$ミリオネア」

http://slumdog.gyao.jp/


ずいぶん昔に予告編を見たときから、観たいなと思っていた作品。

さすが、アカデミー賞8部門受賞作だけあって、面白いしよくできていました。ストーリーの展開が凝っていて、それでいてわかりやすく、内容は濃いです。

スラム街の子供がどれだけ苦労しながら生きているのか、少年目線で表現しているところが新鮮で感情移入もできましたし、現代のインド社会が抱えるさまざまな問題を映し出していました。

しっかりとした観応えのある映画でした。PG-12となっているのは、多少残酷なシーンがあるからでしょう。そのつもりで観たほうがいいかもしれません(でも、もっと残酷なシーンのある「GOEMON」はなぜかPG-12とはなっていない・・)。

【以下ネタバレがあります。この映画を観る予定のある方は、観終わってから読んでください。】












主人公がクイズ・ミリオネアに出場し、クイズに次々と正解していくところが、ストーリーの骨となっていますが、クイズ・ミリオネアに出場することはそれほど中心的な話ではないと思います。やはりスラム街出身の兄弟と少女が、それぞれに苦労しながら大人になる過程が本質でしょう。どれだけ劣悪な環境でも卑屈にならずたくましく成長する子供たちには心打たれました。

ストーリー展開として、ラストはクイズ・ミリオネアに優勝し、幼なじみの恋人とうまくいく、というのは、ちょっとありきたりかな、とも思えました。クイズの最後に失敗してしまってはストーリーがなりたたないのでしょうが、じゃああの少年が急に大金持ちになってどう変化したんだろう、という別の疑問が生じてしまいました。

また、兄は殺されてしまい、かわいそうな結果に終わります。ちょうど弟がクイズに優勝するシーンとかぶさるので、悲惨さは薄められていますし、それまでに兄はひどいことをしてきたので、因果応報だからしかたない、ととらえる向きもあるでしょうけど、でも最後には弟のために彼女を解放してくれているのです。つい兄に同情してしまいます(お札を満たした風呂で死ぬのは象徴的で、彼にはそれが本望だったのか・・)。あと、スラム街出身なのに、兄弟とも根は正直者なのは、母親の躾がよかったのだろうな、とか余計なことを思ったり。

クイズ・ミリオネアを映画中に使った作品は、実は以前にあり(フランス映画「ぼくの大切なともだち」)、最終問題にも正解して優勝する、という設定も同じです。真似したということではないでしょうけど、クイズ・ミリオネアのスリリングさを利用しているという点では同じなので、私にはそれがちょっと陳腐に思えました。