映画「感染列島」
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感心しない映画だった。テーマも心に届いてこないし感動もほとんどありませんでした。時間も長いし、う~ん、なんだったんだろう。
新型インフルエンザの脅威が言われているので、てっきりそれをテーマにしているのだと思っていましたが、そうではなく他のウィルスによるものでした。新型インフルエンザがテーマでもよかったのではないかと思いますし、そのほうが現実味があったように思います。
感染が始まった当時、何が原因かわからず、鳥インフルエンザではないかと疑われて養鶏業者が責任を感じ、自殺してしまいます。しかし、インフルエンザで目から出血しますかね。医者なら違うことがすぐにわかるでしょうに。
未知のウィルスの流行により、日本中で罹患者、死亡者が爆発的に増大します。それが文字で示されるのですが、なぜか全国的な広がりを映すシーンはほとんどなく、「いずみ野市立病院」ばかりが出てきます。そのため日本全体がパニックになっているという緊迫感が伝わってきません。
銀座や大阪の戎橋でクルマがひっくりかえり、人一人いなくなって荒廃してしまった光景が映されます。でも感染症が流行して街に人が出歩かなくなったとして、街自体がそこまで荒廃することはないでしょう。生活している人はいるのですし。またこの街のVFX(CG)はいまいち出来がわるく、人間との大きさが合っていません。ビルの大きさに対して人間が大きすぎて、ガリバー旅行記のようです。
主人公の医師(妻夫木聡)が原因究明のためフィリピンに行き、現地の病院内に患者が多数いるのを見つけます。瀕死の患者たちがこの医師をたよって、押し寄せてきます。妻夫木は医師一人では何をすることもできないので、扉を押さえて出て来れないようにします。そこでは患者がまるでゾンビのように描かれているのです。あれは何を言いたかったのだろう。
そして最大のツッコミどころ、「壇れい」さんの死に方(ネット上でもさかんに書かれてます)。一方で少女が血だらけ、苦しみもがきながら死にそうになっているのに、壇れい演じる女医さんだけ、苦しみもせず血の涙を流しながらきれいに死んでいきます。ヒロインだけは汚してはいけないのでしょうかね。もう少し違う表現もあったのでしょうに。
カンニング竹山の演技はなかなか良かったように思いました。彼の演技を見るのは初めてですが、役によく合ったキャラを演じていたと思います。今後の俳優としての活躍が見ものです。
全体としては、すべてがなんとなくチグハグで、映画の中に入っていけませんでした。オススメできない映画です。