映画「ブタがいた教室」 | コルネットのうだうだ

映画「ブタがいた教室」

公式サイト

http://www.butaita.jp/


先日書いたケータイメールで申し込んで当選した試写会とはこの映画です。今日その試写会があり、観てきました。


6年生の担任となった新人教師が、クラス全員で子ブタを飼って、最後には食べようと提案する。クラスのみんなはブタに「Pちゃん」と名付けて苦労して育てる。卒業が近づいてくる。さて、子どもたちは本当にブタを食べることにするのか…。


これは18年前に実際に行われた授業を題材にした映画で、実際の授業はテレビでドキュメンタリーとしても取り上げられ、大きな反響と議論を呼んだそうです。この映画ではストーリーはあるものの、子どもたちが実際にブタを育て、そのうえで「食べるのか、食べないのか」を議論するシーンは台本無しで、本当に子どもたちの意見を闘わさせて撮影したそうです。


子どもたちはそれぞれに、現実に直面している問題を真剣に考え、自分の率直な意見をぶつけ合っています。議論に正解はありません。先生も議論のなりゆきを静観し、あくまで生徒に考えさせます。実際に行われた授業が、この映画の撮影の中で再び実現されているのであり、議論のシーンについてはまるでドキュメンタリーを観る思いがします。子どもの意見とはいえ、それは大人の考え方と大きな違いはなく、泣きじゃくりながら訴える子どもたちの意見には、映画を観ている側も涙してしまいます。この議論のシーンには魂を揺さぶられるような感動を覚えます。


今日の試写会の上映前には原作者(黒田恭史氏)による数分のメッセージ映像があり、上映後には前田哲監督によるトークショーがありました。トークショーでは、監督のこの映画に対する熱い思い、撮影エピソード、そしてテーマに託された真のメッセージまで聴くことができて、大変満足しました。主演の妻夫木聡は教師役は初めてだそうですが、この役にかける意気込みはすごかったとのことで、役柄に入りきって新人教師役を熱演しています。子どもたちの中でキーを握る転校生の少女役には映画「コドモのコドモ」の甘利はるなが好演。


この授業のあり方そのものには私は若干疑問を感じますし、実際、前田監督も「クレイジーだ」とおっしゃっていました。しかし実際の教育の中では、このように自分たちにふりかかる現実の問題を真剣に議論する、ということがあまりないのかもしれません。別世界の話を、文章で読むか聞いて想像する。大人の顔色を伺いながら、優等生的な答えを出す(そのようなことを大人から要求されている。試験の答案でも)。その結果、現実のことでさえ他人事のような、その場限りの適当な対応しかできなくなる。そうして無責任な大人、無責任な社会が生まれていく…。極端かもしれませんが、それがわが国の現状だとするなら、子どもたちには残酷ですが、このような教育を行う意義も理解できます。


いろいろなことを考えさせられる、たいへん優れた映画だと思いました。ラストシーンも秀逸!近くにこの映画が公開されていたら、ぜひ観に行かれることをオススメします。


PS:試写会を企画されたみなさん、ほんとうにありがとう!



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