ちーちゃん飼育記~3
考えてみればちーちゃんが人を怖がるといっても、ノラネコだからということはないはずだ。人と同じようにネコでも性格はいろいろで、ノラネコであっても人になつくものもいれば、人を避けるものもいる。ちーちゃんの場合、人見知りが激しいのかもしれない。シャイで引っ込み思案という性格なのかも。
ちーちゃんが自然に人に慣れるまで、私はなるべくそっとしてやろうと考えていたのだが、姉がその不文律を破ってしまった。私が家にいないときに姉が来て、部屋の隅にいたちーちゃんを引っ張り出してきて、なでてやったのだ。しかし意外なことにちーちゃんは気持ち良さそうにして、ノドをゴロゴロ鳴らしていたとのこと。それを姉からのケータイメールで知って、私は、余計なことをしてくれたものだ、と迷惑に思いながらも、自分でもやってみたくてたまらなくなった。
そこで、ウチに帰ったらさっそくやってみた。ビデオデッキの後ろで寝転んでいるちーちゃんに近づき、「怖くないよ怖くないよ」と声をかけながら、ちーちゃんをなでてみた。相変わらずちーちゃんは「ハーッ!」と怖い顔をしてキバを剥いて見せた。でもそのまま私はちーちゃんを両手でそっと持ち上げてみた。私の両手にすっぽりと収まるくらい小さくて、軽い。ちーちゃんはむしろ不思議そうな顔をして、何にも抵抗しなかった。
座布団の上にちーちゃんを乗せてなでてやった。ネコの喜ぶところは心得ている。ノドの下、耳の後ろ、額、背中、お腹。順番にかいてやったら、何の抵抗もせずゴロゴロ言いながら、横になってコロンコロンとのたうち始めた。な~んだ、なでてやったら気持ちがいいのか。やっぱりネコはネコなんだよね。
ちーちゃんはそうして5分くらい楽しんだあと、思い出したかのように我に返り、また元いたビデオデッキの後ろに走って戻った。どうやら、恥ずかしがりやのちーちゃんには、そっとしておくより積極的にスキンシップしたほうがいいみたいだな。そう思わせてくれた出来事だった。つづく
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