上山という集落は岡山市から北東へ50キロの地点

上山集落を紹介するHPより:

 

谷間の集落を覆い尽くす壮大な棚田群。その数は何と8300枚。
この日本最大級の棚田は、実に千年以上も昔に築かれたと言われています。
以来、岡山県美作市上山地区は、美作国の米どころと呼ばれ、稲作ばかりではなく、棚田の集落ならではのコミュニティや文化を育んできました。


しかし、近年は過疎化と高齢化が進み、千年の歴史を誇る棚田群は続々と耕作放棄地へと姿を変えます。そして残されたものは、雑草や灌木や竹藪の谷。

 

そこに棚田の再生を志す人たちが現れたのが2007年のこと。


最初は「どうせ再生なんて無理だろう」とあきらめていた地元の人々からは、目の前に蘇る懐かしい風景に歓喜の声が上がりました。


再生活動が始まって間もなく10年。私たちは、この上山を『上山集楽』と名付けました。移住者と地元の人々が一緒になって、農業はもちろん、棚田の資源を最大限に活用した新たな産業や観光、交通やエネルギーなどなどの課題に取り組み、これまでよりもさらに豊かな、未来の田舎を目指しています。

見違えるように復興したしたようにも見えない。

不如帰八千枚の棚田消え

千枚田より摘みきたる薺なる 斎藤梅子
 
冬耕の一枚もなし千枚田 宮田 勝
 
千枚田の落穂拾ひを見たかりし 細見綾子
 
千枚田その一枚に稲を扱く 河本晴樹
 
爺婆無臭無温首折る千枚田 国 しげ彦
 
二三枚植ゑて名所や千枚田 小見山希覯子
 
千枚田裾ひらひらと波の花 井上 雪
 
千枚田の落穂拾ひを見たりかし 細見綾子
 
早稲稔る瑞穂の峡の千枚田 高橋利雄
 
千枚田千の形に雪残る 相馬沙緻
 
みぞるるや地辷りつのる千枚田 堀田正久
 
凩の残すものなく千枚田 小川 浩
 
姨捨山に見ゆ千枚田たにし鳴く 判治遼子
 
千枚田朧へ影を重ねけり 松岡悠風
 
*ひつじ田となりて海鳴る千枚田 高橋淑子
 
千枚田鋤かるるまへの色揃ふ 福永耕二
 
冬海へ落ちもせざりし千枚田 津久井進子
 
千枚田暮れてとどろく鰤起し 和田祥子
 
千枚田の落穂拾ひを見たかりし 綾子
 
千枚田鋤かるるまへの色揃ふ 耕二 (能登)
 
万緑に加はりてあり千枚田 嶋田摩耶子
 
北風のころがり落つる千枚田 大平芳江
 
千枚田の落穂拾ひを見たかりし 細見綾子
 
千枚田海から湧ける稲雀 小林俊彦
 
千枚田一枚づつの花曇 小川恭生
 
千枚田枯一枚に火を焚けり 茂里正治
 
北風や怒濤へなだれ千枚田 徳永山冬子
 
水張つて海と釣り合ふ千枚田 大石悦子
 
千枚田裾ひらひらと波の花 井上雪
 
千枚田鋤かるるまへの色揃ふ 福永耕二
 
ほとゝぎす声駈け下る千枚田 相馬遷子 山河

ほととぎす耕やして天に至るはず

千枚田跡の萱天に至るかも