外気温表示38℃の中、神戸市北区へ。
空は秋

ミゾハギが秋っぽい感じで咲いていた。

溝萩の盆の過ぎたる頃に咲き 平山 愛子

溝萩の花を束ねて商へり 中川 みさえ

溝萩を朝刈りて来ぬ一束ね 星野麥丘人

溝萩の日に抱かれたる花やさし 木内さい

溝萩やバケツで洗ふ登山靴 皆川盤水


溝萩を朝刈りて来ぬ一束ね 星野麦丘人

溝萩やかがむになれし農婦の腰 能村登四郎

溝萩をつくづく見ても定年来る 嶋田洋一

ながき穂の溝萩いつも濡るる役 能村登四郎

溝萩やかがむになれし農婦の腰 能村登四郎

わが四十溝萩咲くと見て過ぎぬ 岸風三樓

ながき穂の溝萩いつも濡るる役 能村登四郎 有為の山


この土手には我が家近辺では見かけない花がつぎつぎと姿を見せる

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椋鳥や牛飼人も子を連れて 藤田湘子

篠の子は雲にも巻かれて育つらし 藤田湘子

秋祭金髪の子を捧げ行く 藤田湘子

蝉声を追ひ子のために生きる顔 藤田湘子

椋鳥や牛飼人も子を連れて 藤田湘子

篠(すず)の子は雲に巻かれて育つらし 藤田湘子(1926-)

宮城野のどの子に触るる風花ぞ 藤田湘子(1926-)

青竹を登りかねたる蜥蜴の子 藤田湘子 黒

子を得たりうつゝに遠く辛夷揺れ 藤田湘子 雲の流域

手ぶらにて十日戎の人と会ふ 藤田湘子

鳥総松歩けば島の路地固し 藤田湘子

野づかさの多摩の櫟へ斧始 藤田湘子

蛸薬師にて初旅の夜が来ぬ 藤田湘子

初富士にふるさとの山なべて侍す 藤田湘子

出雲へも来よと手紙や松の内 藤田湘子

冬萌や湖国の畦木みな低き 藤田湘子

閻王が斎の白菜ひた白し 藤田湘子

水仙や青柳町に日の斜め 藤田湘子

洛中は物日の音ぞゆりかもめ 藤田湘子

三日月に狐出て見よオホーツク 藤田湘子

しぐれ忌の日矢を遠見の志賀にあり 藤田湘子

大滝は力ゆるめず神の留守 藤田湘子

湯ざめして遥かなるものはるかなり 藤田湘子

而して鰭酒の酔発しけり 藤田湘子

まつすぐに日射すジャケツの妻の胸 藤田湘子

蒲団より落ちたる文庫本スリラー 藤田湘子

枯野行刻々沈む日が標 藤田湘子

年の瀬や奈良日吉館灯を洩らさず 藤田湘子

蛍光灯唄ふごと点き冬浅し 藤田湘子

日暮とも雨けむるとも白桔梗 藤田湘子

藤袴にもひとこゑや山鴉 藤田湘子

酔さめて芋の鶴川村遠し 藤田湘子

街路樹の裾の白粉花江東区 藤田湘子

雁列や飛騨の高嶺の日のありど 藤田湘子

橿鳥や朴は梢の苞を捨つ 藤田湘子

盆の衣青蘆に栄え隠るるよ 藤田湘子

天皇は那須に座しぬ震災忌 藤田湘子

あしたより水欲るからだ紅葉狩 藤田湘子

籾殻の山なすここが関の跡 藤田湘子

秋の野をはろばろと行き木隠れぬ 藤田湘子

十六夜の空となりたり首里の丘 藤田湘子

そらまめにあはれを問へば飛び出せり 藤田湘子

指さして樗の花ぞ土佐一宮 藤田湘子

呼の塔と応の堂宇と青葉闇 藤田湘子

山国のけじめの色の青葡萄 藤田湘子

仏桑花被弾残壁かくれなし 藤田湘子

薔薇の雨本門寺裏へ坂をなす 藤田湘子

松蝉や奈良に食ひたる麦の飯 藤田湘子

舟虫を走らす雨に海女の声 藤田湘子

葭切に空瓶流れつく故郷 藤田湘子

郭公や山毛欅せめぐ霧音もなし 藤田湘子

蝉丸忌半日鈍く京にをり 藤田湘子

きんつばの薄皮淡し川開 藤田湘子

何か言へり生きて汗噴く己が顔 藤田湘子

深山草挿してありけり床涼み 藤田湘子

日傘して汽笛の音の次を待つ 藤田湘子

泥鰌鍋褒貶いまも定まらず 藤田湘子

燈台は美少女を容れ卯浪立つ 藤田湘子

鯉の口朝から強し半夏生 藤田湘子

薄暑かく殺生石を匂はしむ 藤田湘子

午後の日の雪嶺づたひや山葵採 藤田湘子

花林檎牛生れし日に行きあはす 藤田湘子

藤夕べ手囲ひの灯をみほとけへ 藤田湘子

春鮒に虹をかけたる近江かな 藤田湘子

暗き湖より獲し公魚の夢無数 藤田湘子

空谿の何の谺ぞ鴨かへる 藤田湘子

人麿忌末黒古蘆刈られけり 藤田湘子

峰入や月夜鴉のひとしきり 藤田湘子

春の炉におもひて美しきことならず 藤田湘子

白山の雪解うながす夜の太鼓 藤田湘子

牛を摶てり薬師寺の杜かすむ道に 藤田湘子

去りゆきし春を種火のごと思ふ 藤田湘子

沸々の湯を得て葛は透きとほる 藤田湘子

夢に朱欒を抱き重りしが創痛す 藤田湘子

絮の中蒲の秘めたるもの知らず 藤田湘子

椎の実が降るはればれと愛されよ 藤田湘子

秋の野をはろばろと行き木隠りぬ 藤田湘子

十月やみづの青菜の夕靄も 藤田湘子

櫛拭いて秋海棠の花を見て 藤田湘子

秋の蝿一茶にしたるごとくせり 藤田湘子

ひと雨に更待の気のくづほれし 藤田湘子

十六夜や品川に海ありしころ 藤田湘子

八朔やわが真乙女の湯浴ごゑ 藤田湘子

母見舞ふ心となりぬ蓼の花 藤田湘子

いつの世も青嶺ぞ立てる盆支度 藤田湘子

不知火を想ふ研師の暇かな 藤田湘子

物音は一個にひとつ秋はじめ 藤田湘子

吊鐘は音のかたまり帚草 藤田湘子

花葵雨中に夢の像見て 藤田湘子

玉虫に虚空ひびかずなりにけり 藤田湘子

みづむしの足ほろほろと祭かな 藤田湘子

日覆や働きし顔飯を食ふ 藤田湘子

世を以て黄昏となす胡瓜揉 藤田湘子

風知草故人はゆめに前のまま 藤田湘子

小鰺らが寄る道の辺の恋の漁夫 藤田湘子

慈悲心鳥ほつほつの花馬鈴薯に 藤田湘子

昼さみしければ*いもりの泥もぐり 藤田湘子

時の日の正刻に入る厠かな 藤田湘子

蝿叩此処になければ何処にもなし 藤田湘子

草刈も影もさやけし花擬宝珠 藤田湘子


藤田湘子門の方がブログ句会を再開したいということなので、参加してみようかと思っている。