↑蕎麦の花
朝顔に似た葉をだす。一面真っ白になるソバ畑は信州方面だけでなく、美作でもよく目にする。
にも拘わらずどんな葉をしていたかをまったく記憶していなかった。
よって種を蒔いて、幼葉が出てきたときには、オシロイバナと見間違えて、せっせと引っこ抜いていた。
プランター4つほどで育てているが、引っこ抜いたおかげで、「空き地」が目立つ。
これくらいでもいいのであろうが、念のために空き地部分には、追加で種を蒔いた。
それも芽吹いてきている。↓

↓綿

周りで芽吹いているのは鶏頭である。昨年育てた子規庵で採取されたケイトウの子孫である。
採種したものは、小袋に入れてかなりの数を俳句仲間に配ったが、実際に蒔いてくれた人は何人いるだろうか?

蕎麦の花ミサの鐘鳴るところまで 奥野桐花

ちらちらと蝶 ちりちりと蕎麦の花 伊丹三樹彦 花恋句集二部作 夢見沙羅

三日月に地は朧なり蕎麦の花  松尾芭蕉

蕎麦の花引き抜きて測量す 広瀬恵美

山雲の高さに蕎麦の花だたみ 松本透水

仏より人たそがるる蕎麦の花 三田きえ子

この村の深息に似て蕎麦の花 中嶋秀子

蕎麦の花北指す汽車に肱汚し 朔多 恭

歩きゐし月夜の蕎麦の花の径 川村 千英

蕎麦の花蟹田の墓のほろほろと 堺 信子

蕎麦の花繃帯引っ張って干す 岩間愛子

風かるき一と日のをはる蕎麦の花 鷲谷七菜子

山小屋の道に鍋干す蕎麦の花 阿部寿雄

その上にまた一つ家蕎麦の花 矢島渚男

浅間曇れば小諸は雨よ蕎麦の花 杉田久女

月光の満ちゆくかぎり蕎麦の花 古賀まり子

道のべや手よりこぼれて蕎麦の花 蕪 村

遠山の奥の山見ゆ蕎麦の花 水原秋桜子

秩父路や天につらなる蕎麦の花 加藤楸邨

いえづとの溝蕎麦の花こぼるるよ 中村わさび

旅先に針糸愛でる蕎麦の花 小平 湖

淋しさに奥行きありぬ蕎麦の花 木村晶子

蕎麦の花人影のなき一揆村 桑原かず子

分け入りて胸乳に揺らす蕎麦の花 斎藤千恵子

峡の村ぐいと拡げて蕎麦の花 林 友次郎

蕎麦の花干割れし土のしんからかん 諸角せつ子

水ナ底のまつりも美しき蕎麦の花 松田 進

民宿のうらも民宿蕎麦の花 橋本榮治 逆旅

墓山も楢山も雲に蕎麦の花 橋本榮治 麦生

月さして沼かと見しは蕎麦の花 北垣芳園

月光の満ちゆくかぎり蕎麦の花 古賀まり子

山村といふも四五戸や蕎麦の花 長沢青樹

癩の村ちかき月明蕎麦の花 石原舟月

蕎麦の花下北半島なほ北あり 加藤楸邨

浅間曇れば小諸は雨よ蕎麦の花 杉田久女

蕎麦の花こころ遠くへ行きたがる 村上方子

山の日の薄きにひろげ蕎麦の花 吉年虹二

夕空の紺より藍へ蕎麦の花 石嶌岳

秩父路や天につらなる蕎麦の花 加藤楸邨

遠山の奥の山見ゆ蕎麦の花 水原秋櫻子

外竃ぼうぼう蕎麦の花ざかり 山口草堂

月光の満ちゆくかぎり蕎麦の花 古賀まり子

山川は日を小刻みに蕎麦の花 成田千空

すみやかに月は高みへ蕎麦の花 中田剛 珠樹以後

馬の背の高きに上り蕎麦の花 移竹

蕎麦の花丈を同じに雲も平ら 大野林火

蕎麦の花終りて山に雲のこす 大串章

蕎麦の花大和島根のくもりかな 才麿

柿の木は家の名残よ蕎麦の花 浜田波静

端山越す兎見ゆるや蕎麦の花 三輪未央

城跡の一段高し蕎麦の花 雅因

山里は豆もつくらず蕎麦の花 悟空

落人の低き墓標や蕎麦の花 西村牽牛

畑番に狐ちよろつく蕎麦の花 大田洛川

蕎麦の花に月あり藁屋暮れんとす 高浜虚子

旅人に遠山見せて蕎麦の花 毛塚静枝

いわし雲と白を競ひて蕎麦の花 羽部洞然

蕎麦の花終りて山に雲のこす 大串章

癩の村月あきらかに蕎麦の花 石原舟月

百姓の儲話や蕎麦の花 龍岡晋

月光のおよぶかぎりの蕎麦の花 柴田白葉女(1906-84)

道のべや手よりこぼれて蕎麦の花 蕪村

山腹の赤い華表や蕎麦の花 寺田寅彦

犬曳た女通るや蕎麦の花 寺田寅彦

上方の芝居下りぬ蕎麦の花 寺田寅彦

汽車道の広告札や蕎麦の花 寺田寅彦


暮れて入る古駅の路や蕎麦の花 会津八一

浅間曇れば小諸は雨よ蕎麦の花 杉田久女

この村の深息に似て蕎麦の花 中嶋秀子

遠吠えの牙の白光蕎麦の花 和田悟朗

あっけなく死ぬ年寄りに蕎麦の花 宇多喜代子

蕎麦の花丘つづきなる夕明り 中川宋淵 遍界録 古雲抄

大根も葱もそこらや蕎麦の花 炭 太祇 太祇句選

いかめしき門を這入れば蕎麦の花 夏目漱石 明治三十二年

まれまれに蝶の動くや蕎麦の花 蓑立 俳諧撰集「藤の実」

名月は蕎麦の花にて明けにけり 李由 八 月 月別句集「韻塞」

狐火のしらけて過ぐや蕎麦の花 荒雀 俳諧撰集「有磯海」

城跡の一段高し蕎麦の花 雅因 五車反古

蕎麦の花大和島根の曇かな 椎本才麿

痩山にぱっと咲けり蕎麦の花 一茶

蕎麦の花ぴくんぴくんと雨受けて ぱらりとせ