尾上マンテマ(カーペットかすみ草)
花期は5月


どうやら開花。

固まって咲いている部分はないが、全体では10輪程度咲いている。


富松川が大きく湾曲して東への流れを南向きに変えるところに、護岸工事の関係で10坪前後の空き地が生じた。
使い道がないので放置され、四季折々の野の草が芽吹き、成長し、花を開く。
私の最も手近な野草観察地である。
2000㎡を超える観察地はつぎつぎに高層マンション等になり、目下の主な野草観察地は庄下川の川辺だけになった。

富松川沿いの空き地でしか見られないものの一つが十二単。

まだこれから色づいてゆく株も多数ある。

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十二時に十二時打ちぬ震災忌 遠藤梧逸

望の夜の僧侶十二十二管 後藤綾子

渋谷十二時わたしは顔のない水子 高野ムツオ 蟲の王

練炭の十二煉獄冬雲雀 高野ムツオ 雲雀の血

実南天十二神将眉あげて 野澤節子

十二神将怒り秋日を強めたり 細見綾子

十二神将背中合はせに黴び給ふ 松野自得

十二代甚兵衛も亦杉を植う 阿波野青畝

親しさの十二三人茗荷汁 澤 ゑい

呼ぶ子帰る子十二時の立葵 廣瀬直人

十二色全部重ねて虹いびつ 山崎 篤

奈良七重草餅十二神将に 田仲了司

秋草に礎石十二ありみなひかる 加藤楸邨

十二時を宵のごとくに旅の端居 山口誓子

濯ぎ場に紫陽花映り十二橋 水原秋桜子

煉炭の十二黒洞つらぬけり 西東三鬼

どの家も柚子を大きく十二橋 大久保明

九月一日十二時の花時計 大石きよ子

秋涼し十二神将みな点し 坂本杜紀郎

十二時の睡蓮女体ゆるうして 保尾胖子

しやくなげ太芽十二神将躍るかな 松田ひろむ

日時計のちようど十二時小米花 三苫時子

十二神将まなざし暗く昼の虫 千手和子

濯ぎ場に紫陽花うつり十二橋 水原秋櫻子

十二打のあと又うらら鳩時計 山岸 治子

十二神将春暁の燭ゆるるなき 原 幸子

十二経奇経八脈山眠る 佐々木六戈 百韻反故 初學

煉炭の十二孔炎ゆもの書けと 伊丹三樹彦

煉炭の十二黒洞つらぬけり 西東三鬼

万歳の子も万歳の十二歳 虚子

悉く十二町潟末枯るゝ 素十

長き夜の数を尽して十二鳴る 狩行

百舌鳥猛り十二神将呼応せず 松本圭二

丸ビルを七十二年見し夏木 稲畑廣太郎

缺席の詫チューリップ十二本 後藤比奈夫

掛物に十二ケ月や福寿草 阿波野青畝

秋風に建つ太柱十二本 夏井いつき

うそ寒にくさめ七十二回かな 稲畑廣太郎

美しき蒲団干したり十二欄 内藤鳴雪

十二橋或は落穂かゝあり 水原秋桜子

名月や一廓をなす坊十二 河東碧梧桐

十二浜番船出づるはやしかな 青木月兎

棚経の小僧十二三なるが来る 原紫川

花の雲十二神将踊るかな 赤嶋千秋

十二橋の一つの橋を獅子の笛 町田しげき

十三陵十二飛ばして夏木立 赤松[ケイ]子

享年十二歳みどりの柿の花 塚本邦雄 甘露

隙間風十二神将みな怒る 阿波野青畝(1899-1992)

内廓夕立つや四門十二橋 久米正雄 返り花

さかなせよ十二神将花の宴 中勘助

しぐれしぐる橋は十二の皆ほそき 幸田露伴 拾遺

十二貫山に日のある寒さかな 田中冬二 行人

さうめんを浸して居たり十二橋 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄

時雨るゝや層々暗き十二階 芥川龍之介 蕩々帖〔その一〕

初夢に羅のつく十二神といる 渋谷道

十二時の藤盛りなる木樵径 大峯あきら

時計いま十二時うてり繭玉に 久保田万太郎 草の丈


庄下川沿いの草むら

リュウキンカは、今年の春の盛りを越えたよう。

ホトケノザも群生だと見応えがある。

ひときわでかい葉は、セイヨウカラシナ。
イギリスだと5月、まだうすら寒い丘一面が真黄色になる。
近寄って見ると、私の背丈より高い株がならぶ。カラシナ畑である。
日本の菜の花畑もアブラナよりはこのセイヨウカラシナが「主流」になっているように
思う。

↑繁縷(ハコベラ)、姫踊子草、八重葎(ヤエムグラ)とスイバの葉
庄下川の水辺ではスイバが大株に育つ。

↑ムラサキカタバミ

尼崎市バスは阪神バスへ変貌中



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