猪名川公園は、もちろん街区公園や近隣公園ではない。その上のカテゴリーは地区公園であるが、尼崎市の公園一覧では地区公園にも入っていない。
運動施設もあるが、運動公園ではない。緑地でもない。
公園の中に、猪名川の水を引き込んだような大きな(たぶん灌漑用であった)池がある。
この池の中央部分に縦に(北から南に)市境(=兵庫県尼崎市と大阪府豊中市)即府県境線が走っている。
今日は猪名川の土手部分である猪名川緑地から公園の中へ入ったが、正面入り口を出ると府県境を示す標識が立っている。
入口部分の真ん中の延長上である。
公園を入ったところにある広場の中央で満開状態。多分小彼岸桜であろう。
牡丹桜らしきものも池の近くに1本あった。
公園の中、および公園の外にはソメイヨシノの並木がある。
この地区の桜が開花しているのをみたことはない。
猪名川公園も今回が初めての『訪問』。
秋の雨防潮堤を行けど行けど 行方克己 知音
膝にしづかに手置けり元日の堤見え 加畑吉男
冬草を踏んで蕪村の長堤 星野麥丘人
蕪村忌の土堤の日だまり独楽打てり 田中英子
すかんぽや紀ノ川堤高からず 轡田 進
夕風の見えたり土堤の草萌に 長谷川かな女
菜の花のちりこぼれたる堤かな 瀧井孝作
大利根の堤を頼む母子馬 落合水尾
寒釣りの人のゆきたる堤かな 田中 九十九
花栗の堤過ぐれば湖の村 上原 信子
下痢で帰るプールはなさぬ西瓜堤げ 島津 亮
数珠玉は刈り残されぬ土堤の腹 石塚友二
大文字を待ちつつ歩く加茂堤 高浜虚子
掴みたる竹煮草より土堤を刈る 井沢正江
ぎしぎしの堤に育つマンシヨン棟 藤田芳弘
春風や堤長うして家遠し 蕪 村
墨堤に雨の明るし桜餅 下山宏子
昼の虫雀がくれの土堤つづく 中村みづ穂
白堤は西湖を分くる柳かな 中瀬喜陽
毛馬堤かげるや光り初つばめ 加藤知世子
閘門に待つ一隻や土堤を焼く 脇本良太郎
墨堤に人ごゑひびく雨水かな 喜多みき子
水奉行のこせし堤雪加鳴く 神田岩魚
雲雀鳴き堤に寝れば寅次郎 白岩三郎
わが知れる墨堤失せぬ雛納め 渡邊千枝子
そののちの月の朧や毛馬堤 伊丹さち子
利根堤冬草青く山羊とりつく 山口青邨
数珠玉は刈り残されぬ土堤の腹 石塚友二
川音と土堤を隔てゝ花西瓜 橋本花風
夏鴨や堤の人にいつも遠く 松本弘孝
利根堤くらさもくらし夏芝居 水原秋桜子
山のごとく寒鮒釣に堤あり 木国
堤下りて寒鮒釣となりにけり 七里峡
日あたりて春まぢかなり駅の土堤 誓子
撫子や堤ともなく草の原 虚子
鳥雲に入る熊谷の堤かな 士朗
春風や堤ごしなる牛の声 来山
滝の音均されてゆく春堤 原 裕
深雪なほ高まりゆくは堤らし 青葉三角草
芦刈の戻りの堤どこまでも 高野素十
わが知れる墨堤失せぬ雛納め 渡邊千枝子
長堤やさくらもわれも飛ぶごとし 和田悟朗
猫の子をつまみあげたり長堤に 中田剛 珠樹以後
日あたりて春まぢかなり駅の土堤 山口誓子
雑炊を吹きつ家系を思ひけり 堤白雨
藁塚のつゞく堤や枯芒 高田蝶衣
蝙蝠の早とぶ花の堤かな 杉山一転
土堤涼み一人ふたりと死者もゐて 河原枇杷男
葉桜になりおふせたる堤哉 篠崎霞山
卯の花や御車きしる加茂堤 中川四明
あいの風防波堤うつ濤の音 藤井紫水
風光り沓すべる草の堤かな 嫩葉
水温む長堤いまだセピア色 長谷川昌子
四万十の春料峭と川堤 田村丘子
卒業の兄と来てゐる堤かな 芝不器男
出水修羅駆け去り堤曼珠沙華 近藤一鴻
蕪村忌の土堤の日だまり独楽打てり 田中英子
枯芦に越流堤の風尖る 町田しげき
行々子堤の下は機を織る 羽部洞然
短夜の土堤の穂草は吹かれをり 右城暮石
枯堤遠のいて行き町となる 遠藤梧逸
春の畝走り黄河の堤走り 遠藤梧逸
堤焼く焔の手結びて美濃輪中 加倉井秋を
紙鳶あがるや蕪村春風馬堤曲 龍岡晋
青き踏む少年の日の堤来て 八木林之介 青霞集
町裏に堤すぐある良夜かな 八木林之介 青霞集
秋ふかし人切り土堤の草の花 風国 古句を観る(柴田宵曲)
年とつて冷たき土堤に遊びけり 永田耕衣(1900-97)
卒業の兄と来てゐる堤かな 芝不器男(1903-30)
小春日のをんなのすはる堤かな 室生犀星(1889-1962)
堤走る人数あり秋晴るゝ里 久米正雄 返り花
菜の花のちりこぼれたる堤かな 滝井孝作 浮寝鳥
灯を入るる岐阜堤灯や夕楽し 高濱虚子
十里堤上櫨悉く紅葉す 寺田寅彦
夕映や沙魚釣もどる土堤の上 寺田寅彦
さりなから花の堤も草臥るゝ 尾崎紅葉
花の堤十歩に道化五歩に茶屋 尾崎紅葉
足弱も花の堤を行もどり 尾崎紅葉
花の堤相識る舟に逢へる喜 尾崎紅葉
長いとは申さぬ花の堤かな 尾崎紅葉
朝堤ふみたつる鴫の羽音かな 中勘助
日の暈や柳もえたる土堤の路 中勘助
茶屋を出る土堤の灯や鳴く蛙 会津八一
小春日や物語り行く土堤と船 会津八一
水浴びる児に飛ぶ土堤の螽かな 会津八一
堤より低き家並の鯉幟 三好達治 路上百句
吹き撓む若竹長き堤かな 横光利一
秋の雨防潮堤を行けど行けど 行方克巳
待つほどに月の邯鄲沼堤 石井とし夫
町に飛ぶ塵利根堤焼くとかや 石井とし夫
洪水をたのしむ堤鈴が鳴る 和田悟朗
東風吹や堤に乗たる犬の腮 一茶 ■文政三年庚辰(五十八歳)
枯堤トラック後退し来たれる 山口誓子 青女
土堤を外れ枯野の犬となりゆけり 山口誓子 遠星
年とつて冷たき土堤に遊びけり 永田耕衣 驢鳴集
牛飛んでひびく堤や桜月 永田耕衣 加古*傲霜
米堤ぐる霜夜もラムネたぎらし飲む 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
米堤げて火を吐く喉をラムネに灼く 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
米堤げてもどる独りの天の川 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
米堤げて野路の雪はた街の雪を 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
小風呂敷いくつも堤げて墓詣 竹下しづの女句文集 昭和十年
牛飛んでひびく堤や桜月 永田耕衣 加古
年とつて冷たき土堤に遊びけり 永田耕衣 驢鳴集
一時雨ぬれぬはあらじ淀堤 蓑立 俳諧撰集「藤の実」
あめ来るや普請半ばの川堤 黒柳召波 春泥句集
堤の雁のさき下がりなる 山店 芭蕉庵小文庫
寒声や山伏村の長づつみ(堤) 仙杖 芭蕉庵小文庫
熊谷の堤あがればけしの花 許六 四 月 月別句集「韻塞」
ゆきふりや堤にかゝる片いざり 大阪-舎羅 俳諧撰集「有磯海」
長々と横たふ雪の堤かな 椎本才麿
昭君の柳を山谷堤かな 椎本才麿
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運動施設もあるが、運動公園ではない。緑地でもない。
公園の中に、猪名川の水を引き込んだような大きな(たぶん灌漑用であった)池がある。
この池の中央部分に縦に(北から南に)市境(=兵庫県尼崎市と大阪府豊中市)即府県境線が走っている。
今日は猪名川の土手部分である猪名川緑地から公園の中へ入ったが、正面入り口を出ると府県境を示す標識が立っている。
入口部分の真ん中の延長上である。
公園を入ったところにある広場の中央で満開状態。多分小彼岸桜であろう。
牡丹桜らしきものも池の近くに1本あった。
公園の中、および公園の外にはソメイヨシノの並木がある。
この地区の桜が開花しているのをみたことはない。
猪名川公園も今回が初めての『訪問』。
「堤」で検索217句。しかし、作者名の一部である堤とダブリ等を省くと
樟の株元 「病名」があるのかどうか。
公園に入る前に見た柳。新芽(若葉)がきれいだった。
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