猪名川公園は、もちろん街区公園や近隣公園ではない。その上のカテゴリーは地区公園であるが、尼崎市の公園一覧では地区公園にも入っていない。
運動施設もあるが、運動公園ではない。緑地でもない。

公園の中に、猪名川の水を引き込んだような大きな(たぶん灌漑用であった)池がある。
この池の中央部分に縦に(北から南に)市境(=兵庫県尼崎市と大阪府豊中市)即府県境線が走っている。

今日は猪名川の土手部分である猪名川緑地から公園の中へ入ったが、正面入り口を出ると府県境を示す標識が立っている。
入口部分の真ん中の延長上である。



公園を入ったところにある広場の中央で満開状態。多分小彼岸桜であろう。

牡丹桜らしきものも池の近くに1本あった。
公園の中、および公園の外にはソメイヨシノの並木がある。
この地区の桜が開花しているのをみたことはない。
猪名川公園も今回が初めての『訪問』。

「堤」で検索217句。しかし、作者名の一部である堤とダブリ等を省くと

秋の雨防潮を行けど行けど 行方克己 知音

膝にしづかに手置けり元日の見え 加畑吉男

冬草を踏んで蕪村の長 星野麥丘人

蕪村忌の土の日だまり独楽打てり 田中英子

すかんぽや紀ノ川高からず 轡田 進

夕風の見えたり土の草萌に 長谷川かな女

菜の花のちりこぼれたるかな 瀧井孝作

大利根のを頼む母子馬 落合水尾

寒釣りの人のゆきたるかな 田中 九十九

花栗の過ぐれば湖の村 上原 信子

下痢で帰るプールはなさぬ西瓜げ 島津 亮

数珠玉は刈り残されぬ土の腹 石塚友二

大文字を待ちつつ歩く加茂 高浜虚子

掴みたる竹煮草より土を刈る 井沢正江

ぎしぎしのに育つマンシヨン棟 藤田芳弘

春風や長うして家遠し 蕪 村

に雨の明るし桜餅 下山宏子

昼の虫雀がくれの土つづく 中村みづ穂

は西湖を分くる柳かな 中瀬喜陽

毛馬かげるや光り初つばめ 加藤知世子

閘門に待つ一隻や土を焼く 脇本良太郎

に人ごゑひびく雨水かな 喜多みき子

水奉行のこせし雪加鳴く 神田岩魚

雲雀鳴きに寝れば寅次郎 白岩三郎

わが知れる墨失せぬ雛納め 渡邊千枝子

そののちの月の朧や毛馬 伊丹さち子

利根冬草青く山羊とりつく 山口青邨

数珠玉は刈り残されぬ土の腹 石塚友二

川音と土を隔てゝ花西瓜 橋本花風

夏鴨やの人にいつも遠く 松本弘孝

利根くらさもくらし夏芝居 水原秋桜子

山のごとく寒鮒釣にあり 木国

下りて寒鮒釣となりにけり 七里峡

日あたりて春まぢかなり駅の土 誓子

撫子やともなく草の原 虚子

鳥雲に入る熊谷のかな 士朗

春風やごしなる牛の声 来山

滝の音均されてゆく春 原 裕

深雪なほ高まりゆくはらし 青葉三角草

芦刈の戻りのどこまでも 高野素十

わが知れる墨失せぬ雛納め 渡邊千枝子

やさくらもわれも飛ぶごとし 和田悟朗

猫の子をつまみあげたり長に 中田剛 珠樹以後

日あたりて春まぢかなり駅の土 山口誓子

雑炊を吹きつ家系を思ひけり 白雨

藁塚のつゞくや枯芒 高田蝶衣

蝙蝠の早とぶ花のかな 杉山一転

涼み一人ふたりと死者もゐて 河原枇杷男

葉桜になりおふせたる哉 篠崎霞山

卯の花や御車きしる加茂 中川四明

あいの風防波うつ濤の音 藤井紫水

風光り沓すべる草のかな 嫩葉

水温む長いまだセピア色 長谷川昌子

四万十の春料峭と川 田村丘子

卒業の兄と来てゐるかな 芝不器男

出水修羅駆け去り曼珠沙華 近藤一鴻

蕪村忌の土の日だまり独楽打てり 田中英子

枯芦に越流の風尖る 町田しげき

行々子の下は機を織る 羽部洞然

短夜の土の穂草は吹かれをり 右城暮石

遠のいて行き町となる 遠藤梧逸

春の畝走り黄河の走り 遠藤梧逸

焼く焔の手結びて美濃輪中 加倉井秋を

紙鳶あがるや蕪村春風馬曲 龍岡晋

青き踏む少年の日の来て 八木林之介 青霞集

町裏にすぐある良夜かな 八木林之介 青霞集

秋ふかし人切り土の草の花 風国 古句を観る(柴田宵曲)

年とつて冷たき土に遊びけり 永田耕衣(1900-97)

卒業の兄と来てゐるかな 芝不器男(1903-30)

小春日のをんなのすはるかな 室生犀星(1889-1962)

走る人数あり秋晴るゝ里 久米正雄 返り花

菜の花のちりこぼれたるかな 滝井孝作 浮寝鳥

灯を入るる岐阜灯や夕楽し 高濱虚子

十里上櫨悉く紅葉す 寺田寅彦

夕映や沙魚釣もどる土の上 寺田寅彦

さりなから花のも草臥るゝ 尾崎紅葉

花の十歩に道化五歩に茶屋 尾崎紅葉

足弱も花のを行もどり 尾崎紅葉

花の相識る舟に逢へる喜 尾崎紅葉

長いとは申さぬ花のかな 尾崎紅葉

ふみたつる鴫の羽音かな 中勘助

日の暈や柳もえたる土の路 中勘助

茶屋を出る土の灯や鳴く蛙 会津八一

小春日や物語り行く土と船 会津八一

水浴びる児に飛ぶ土の螽かな 会津八一

より低き家並の鯉幟 三好達治 路上百句

吹き撓む若竹長きかな 横光利一

秋の雨防潮を行けど行けど 行方克巳

待つほどに月の邯鄲沼 石井とし夫

町に飛ぶ塵利根焼くとかや 石井とし夫

洪水をたのしむ鈴が鳴る 和田悟朗

東風吹やに乗たる犬の腮 一茶 ■文政三年庚辰(五十八歳)

トラック後退し来たれる 山口誓子 青女

を外れ枯野の犬となりゆけり 山口誓子 遠星

年とつて冷たき土に遊びけり 永田耕衣 驢鳴集

牛飛んでひびくや桜月 永田耕衣 加古*傲霜

ぐる霜夜もラムネたぎらし飲む 竹下しづの女句文集 昭和二十四年

げて火を吐く喉をラムネに灼く 竹下しづの女句文集 昭和二十四年

げてもどる独りの天の川 竹下しづの女句文集 昭和二十四年

げて野路の雪はた街の雪を 竹下しづの女句文集 昭和二十四年

小風呂敷いくつもげて墓詣 竹下しづの女句文集 昭和十年

牛飛んでひびくや桜月 永田耕衣 加古

年とつて冷たき土に遊びけり 永田耕衣 驢鳴集

一時雨ぬれぬはあらじ淀 蓑立 俳諧撰集「藤の実」

あめ来るや普請半ばの川 黒柳召波 春泥句集

の雁のさき下がりなる 山店 芭蕉庵小文庫

寒声や山伏村の長づつみ() 仙杖 芭蕉庵小文庫

熊谷のあがればけしの花 許六 四 月 月別句集「韻塞」

ゆきふりやにかゝる片いざり 大阪-舎羅 俳諧撰集「有磯海」

長々と横たふ雪のかな 椎本才麿

昭君の柳を山谷かな 椎本才麿


樟の株元 「病名」があるのかどうか。

公園に入る前に見た柳。新芽(若葉)がきれいだった。


↑公園を出たところの住宅街の塀際。ハーデンベルギア。満開状態。