~ピロウズの叔母、そして夜景

北海道旅行②~5000円札幌案内
の続き

大倉山ジャンプ台の帰り、
高級住宅が立ち並ぶところに入った。
そしておもむろに、車を停め
タクシー婦人はどこかに電話をかけた。

「あ、もしもし?私。今何してるの?

・・・あ、そう。

今、大阪からのカップルを案内してるんだけど
この雨でまだ夜景がちゃんと案内できてないの。
今から行っていい?

・・・うん、わかった。じゃあね!」

・・・なんだ、その会話?

「今から行っていい?」ってどこよ?
って思ってたら、

すぐ横の住宅から、ご婦人がでてきた。

「まあ、いらっしゃい!」

タクシー婦人の友人だった。
彼女は友人の家に上がり込む前提で
家の真横で電話していた。

いくら私たちが
関西のオッサンとオバハンでとはいえ、
さすがに、この状況は恐縮する・・・。

でも、二人の婦人はそれを超えた。

本当に恐縮したが、
もう、話はできているようだったので、
その家に上がることにした。
たしか、その時点で
21:00くらいだったと思う。
その家の婦人はもう入浴を済ませ
すっぴんだった。

絶対、就寝前やんか!

玄関を上がり、リビングへの大きな扉があった。
そして、その大きな扉を開くと
そこには、
札幌市内全域の絶景の夜景が・・・!
山の上のほうにお宅があるので
リビングにある大きな窓からは
札幌全域が一望できるようになっていた。
いすに座ると
ちょうどいい高さに夜景が広がっていた。
雨なのに、本当に綺麗だった。
そして、超高級家具の数々・・・。
お金持ちすぎるのがよくわかる。
座ったことないくらいフカフカのリビングチェア。

「私、ここ好きなのよ~。」
とタクシー婦人は言った。
上品なのか、ずうずうしいのか
わからなくなっていたが、
この家の婦人は
「ここは、昔息子のために建てたんだけど
もう使わなくなってね、別荘にしてたんだけど、
今は息子も独立したし、せまい家だから
夫婦二人でここへ越してきたの。」
と言って、この関西人に嫌な顔ひとつせず、
美味しい珈琲をたててくれた。

確かにあまり大きくはない家だった。
でも、その造りや調度品で
品のいい高級感がにじみでている。

タクシー婦人との仲は
かなりいいらしく、
さっそく陽気なおしゃべりが始まっていた。

私とゴエさんは、本当にビックリしたが
この変わった経験が、やたら楽しく
テンションがおかしくなっていた。

30分くらい経った頃、
突然ピロウズって知ってる?」と聞かれた。

ーなんだっけ?聞いたことあるな・・・。

「この人、叔母さんなのよ。」

ーあ!思い出した!歌手だ!
あまり詳しくは知らないが、ラジオでよく流れている。
北海道の人だったんだ・・・。

私はあまり音楽に詳しくないのけど、
ピロウズといえば・・・
知る人ぞ知る・・・!でしょう。
普通に大阪でのライブでも
チケットソールドアウトになるよね。

でも、それ以上のことは何も言ってこなかった。
また聞いてね。くらいで終わった。

大阪人特有の品のないごり押しなんて
全くない・・・。
なんて品のいいご婦人なんだ・・・。

タクシー婦人といい、
ピロウズの叔母である婦人といい、
(ちなみにピロウズの誰かは覚えてません)
その話し方や行動は
いつも余裕。
そして、無駄な自慢は一切しない。

本当の金持ちって、かっこいいー!

その後、お腹すかない?という話になり
そういえば、スープカレーを食べたが、
ずいぶん前のことのように思えてきて
胃袋にもまだ入る状態だったので
「ラーメン食べに行こう!」
ということになった。

連れか・・・?
いえ、
タクシーの運転手とその客
です。

結局、そのお宅の婦人とは
そこでお別れし、
私たちはラーメン屋へ。

当時、人気のあった行列のできるラーメン屋は
「まずいから」ということで
タクシー婦人おすすめのラーメン屋へ行った。

あっという間にラーメンを平らげ、
11:30頃、ホテルに着いた。

本当に楽しかった。
5000円では申し訳ないくらいだった。
「私も楽しかったからいいのよ。」
と言っていたが、これは何かせねば、と思い、
ゴエさんは
いつも「大入袋」を持ち歩いているので
少しのお礼を入れて渡した。

タクシー婦人は、本当に喜んでくれた。
次の日は、富良野方面へ行く予定だったが
「引き続き観光案内してもらえませんか?」
といいそうになるくらいだった。

結局、もちろんその日でお別れしたけれども
今も、タクシー婦人の名刺は大切に持っている。
あれから北海道へ訪れていないが、
今度行くことがあったら、
またタクシー婦人に会って、大阪みやげを渡したい。
たとえ、忘れられてたとしてもね・・・。

ぜひ、また、北海道へ行ってみたい。




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