一月八日付北海道新聞朝刊に掲載されたコロナ・ワクチンに関する「意見広告」なるものを見た時、最初は「また、いつもの政府筋による接種奨励広告の類か」と思ったが、読み始めて「え?」と思った。



発信元は「株式会社ゆうネット 新型コロナウィルス関連情報発信センター」となっており、内容は、未成年者へのワクチン接種に警告を発する内容で、ひいては、ワクチン接種全般について警鐘を鳴らし、コロナへの中央・地方政府の対応への批判を内意するものとなっている。(全国紙にも掲載されたのであろうか?)

これまで、こういった意見は、YouTubeなどで発すると、直ぐに削除されてきたと仄聞しているが、ここに至って、主要メディアも遂に、無視できなくなったということであろうか?

無視できない大きな理由は、この記事が厚生労働省の数値データを基にして書かれていることであろう。年齢別のコロナ感染死亡者統計グラフは、その最たるものである。



このグラフで注目したいのは、年少者の死亡者数も然ることながら、七十、八十代の死者数が全体に占める割合である。いつ「御迎え」が来てもおかしくないこの年代の死者が、全体の八割を占めている(六十台を含めれば、九割)。要するに、COVID-19(コロナ感染症)は、高齢者ほど感染すると重症化し易く、死亡する割合も高いという点で、他の多くの感染症と同じと言ってよい。「若い人だって死んでいる」という意見もあろうが、どんな病気にだって発症の仕方に個人差はある。一部の例外的な若年者の重症化・死亡事例を論って騒ぎ立てるのは、針小棒大、牽強付会、英語で言うならば、sweeping generalizationと言うべきものである。

一部で以前から言われてきたことだが、そろそろコロナの扱いをインフルエンザ並みにするべきであろう。オミクロン株を危惧する声が喧しいが、海外からは、①ワクチン接種済みの人が感染する事例が多い、②発症元の南アフリカでは急速に収束、③以前のデルタ株などと比べて重症化率が低い、と言ったことが報じられている。

これは何を意味するか?コロナ・ウィルスが変異して、普通の風邪ウィルスに近いものになってきているのではなかろうか?つまり「罹り易いが、重症化し難い」病気になったということである。筆者(山本)自身も以前に経験したことがあるが、風邪をひいて二週間ぐらいして治ったと思ったら、またひいてしまうことが間々ある。これは、同じシーズンであっても風邪のウィルスが変異したり、別なウィルスがやってきたりするためだと思われる。風邪の場合は、こういった事例を「ブレークスルー感染」とは言わないが、今あちこちで起きているコロナの「ブレークスルー感染」も基本的に同じことなのではなかろうか?

今回の意見広告を読んで、以上のようなことを学ばせてもらった。

今後も、このように公のデータを逆手に取ったコロナ対策論が出て来ることを期待したい。