*当シリーズの趣旨については、プロフィールを参照してください。
原文を読んでから“監訳”せよ(「こんなこと言う必要があるのか?」とも思うが・・・)
ウィルモット『大いなる聖戦・第二次世界大戦全史』(国書刊行会)
の訳出過程での、初校段階での誤訳検証を続ける。
以下は、第二次世界大戦の転換点として論じられることが多いスターリングラードの戦いについて記述した一節の原文、及び初校段階で“監訳者”が小生の元の訳を修正した後の訳である:
原文:It very quickly degenerated into a series of fragmented actions fought for control of streets, individual buildings and even single rooms, though from its start it exhibited an almost mathematical quality.
監訳者の修正訳:この戦いが街路や個々の建物、果ては一つの部屋を争奪するための一連の整合性のない戦闘態様を呈するまでにさしたる時間はかからず、その当初から数値で測れる側面があったことは明らかである。
この訳には、原文と照合してみて明らかにおかしい部分がある。どこであろう?
ヒント:原文の従属接続詞に注目。