H・P・ウィルモット『大いなる聖戦・第二次世界大戦全史』(国書刊行会)訳出過程での誤訳検証を続ける。

 

今回は、最初に監訳者が小生の元の訳を修正した後の訳を以下に提示する:

 

ドイツ側のノルウェーに対する目論見は、詳細な実施時期に至るまでほぼ英国側の目論見と対応しているものであったが、侵攻を三月二十六日に最終決定したのは、連合国側の企図を知ったことが直接の誘因であった。

 

これに対応する原文は、以下の通りである:

 

German intentions towards Norway ran almost parallel to those of Britain, even down to details of timing, but the final German decision to move in Scandinavia, taken on 26 March, was the direct result of knowledge of Allied intentions.

 

第二次世界大戦の知識を有している人にはもうお分かりであろうが、文脈としては、ドイツがノルウェー及びデンマークへの侵攻作戦を開始する際の記述の一部である。

 

小生は、初校の段階で監訳者が修正して以上のようにした訳に大きな問題があると判断した。

 

どこが問題であろう?

 

どのように直したら良いであろうか

 

ヒント:文中の「三月二十六日」は何が行われた日だったのであろうか