最初のトヨタディーラー向けスパナ

一重丸京/京都機械製とKTC製

 

丸印カタカナ"トヨタ"だけが刻印されているスパナを2つ見つけました。

1つは一重丸京/京都機械製、もう1つはKTC製。

共にトヨタディーラー整備工場向けとして最初のスパナだと思います。

 

 ① 一重丸京/京都機械(1947年頃)

 

・丸印カタカナ"トヨタ"ロゴが縦向きに刻印されている非常に珍しいスパナです。

・ロゴとサイズ以外には刻印がありません。

・下の比較写真から分かるように、一番上の"トヨタ"スパナと上から2番目のゼロ戦スパナが似ています。(特に真ん丸なスパナ形状)

・一方で、3番目の一重丸京/京都機械や4番目の二重丸京/KTCとは余り似ていません。

・したがい、この"トヨタ"スパナは終戦直後に工場に保管されていたゼロ戦等の海軍向けスパナの鍛造型をそのまま使用した、または同じデザインで作ったのではないかと考えています。

・そして、この"トヨタ"スパナは戦後最初のトヨタディーラー向けとして作られたのだろうと推測しています。

・1947年3月にトヨタ自動車が生産を再開し、トヨタロゴ付きの車載スパナを一重丸京/京都機械が納入しています。(後述【参考-1】)

・車載スパナには一重丸京ロゴが刻印されていて、京都機械製と分かりますが、一方でディーラー向けスパナは長く無印のまま納入され続けていましたので、この"トヨタ"だけが刻印されているスパナもディーラー向けと判断した次第です。

 

★京都機械およびKTCのフラットスパナとの比較

・上からカタカナ"トヨタ"、一重丸京刻印のゼロ戦スパナ(同じ10x12)、同じく一重丸京の一般市販用(12x14)、一番下は二重丸京/KTCの一般市販用(10x12ながらロング仕様)。

 

 ② KTC製(1950年以降)

・上の①と同じく"トヨタ"ロゴとサイズ以外には刻印がありません。

・スパナが尖り形状なので、上の①よりは時代が新しいのが分かります。

・但し、そのスパナ形状とフラット断面が角張ったボディーは、京都機械とKTCのいずれにも類似が無く、専用ボディーの様です。

・したがい、京都機械製なのかKTC製なのか識別が難しいところですが、①に較べて時代が新しそうなことから、KTC製だろうと考えています。

・KTCは各種トヨタスパナを作っていますが、後述(参考-2)の通り基本はアルファベットの"TOYOTA"ロゴですので、KTC製だとしてもこの"トヨタ"刻印だけのスパナは非常にレアな存在です。(4年間コレクションを続けていて、今回初めて見ました)

 

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【参考-1】車載スパナ 

★一重丸京/京都機械(1947年~1950年)

・戦後1947年にトヨタがBM型トラックで生産を再開し、京都機械製の6本組みスパナを車載に採用。

・カタカナ"トヨタ"と共に京都機械製を示す一重丸京が刻印されています。

 

★KTC(1950年~)

・トヨタの車載スパナは、1950年のKTC操業時からKTC製に切り変わります。

・"トヨタ"ロゴは入っていませんが、二重丸京ロゴの上端が閉じているトヨタ向け専用のロゴになっています。

…トヨタ向けロゴ(上が閉じている)、…一般市販向けロゴ(上が開いている)

 

【参考-2】トヨタディーラー向けKTCスパナ各種

 

この回、終わり